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コロナ禍で分かれる「変わりたくない企業」と「変わろうとする企業」
2020.07.17

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第4回

コロナ禍で分かれる「変わりたくない企業」と「変わろうとする企業」

著者 三谷 慶一郎

企業が避けてきたことが「弱点」として露呈してしまった

 災害というものは、その時々の社会の課題を浮き彫りにするとよく言われます。今般の厄災においても、デジタルが有効であるという理解が進んだ反面、「デジタル技術の力を阻害する課題」が社会にまだまだあることも見えてきました。

 ひとつは、「業務プロセスがデジタルに最適化していない」ということです。たとえば、テレワークをしているのに、ハンコをもらいに出社しなければならない、というのもそのひとつです。

 このほかにも、感染者数の把握というとても重要な作業で、紙文書による申請やFAXによる回収などが行われていたために正確な結果を得られなかったこともありました。同様に、企業や個人が書面で給付金を申請し、取得するまでに長い時間がかかってしまうこともありました。一方で、マイナンバーカードを受け取るために、役所で長い列ができていたことも報道されていました。

(ちなみに私の場合、特別定額給付金が、スマホから電子申請して振込まれるまでに21日間かかりました)

 さらに厄介なのがセキュリティの問題です。業務用の資料、個人情報を含むような資料を社外に持ち出すことや、社内システムへのアクセスが会社でしかできないために、出社をしなければならないといったこともよく聞かれました。

 今回見えてきたこのような弱点は、いずれもデジタル技術そのものの話ではありません。あれだけ昔から業務改革(BPR)が必要だと言われていたにも関わらず、私たちは、技術を導入することだけを優先し、業務プロセスやビジネスそのものを変えることを避けてきてしまいました。それが今回、社会的な弱点として露呈してしまったということなのでしょう。

 お気付きの通り、この弱点は、今まで企業においてDXがうまく進まない理由として挙げられていたことそのものなのです。今回のコロナ禍を反省の機会ととらえ、本質的なDX推進を加速させなければなりません。

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