NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

Withコロナの「7割経済」に企業はどう対峙すべきか
2020.07.08

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第3回

Withコロナの「7割経済」に企業はどう対峙すべきか

著者 田中道昭

「右肩上がり」よりも、「持続可能な」ビジネスを

 そうした企業体質に変革するためには、事業構造、収益構造、財務構造を三位一体で変化させることが求められます。

 このうち事業構造については、主にキャッシュフローの話になります。これまで上場企業では、特定の単一の事業に専念することが望ましいとされてきました。さまざまな業態の事業を展開する会社は「コングロマリットディスカウント」と呼ばれ、株式市場では時価総額や株価がディスカウントされていました。

 しかし今回のコロナで明らかになったのは、単一の業態や特定のチャネル、特定の顧客層にフォーカスしていると、そこが影響を受けた時に売上が一気に低下してしまうということです。

 特に外食や小売は、緊急事態宣言下での2カ月半で売上が昨年度対比で9割減といった企業が続出しています。今後もこうした危機が来るとすれば、右肩上がりの成長は想定できません。従って今後中長期的には、事業展開もチャネルも顧客層も、多重的、多層的にしていく必要があるのです。

 収益構造については、損益分岐点のハードルを下げて、より少ない売上でも利益を出せる体質に変えていく必要があります。

 財務構造については、従来はROE(自己資本利益率)が高いことが求められていましたが、これからは総資産をいかにうまく使って利益を生み出しているかを図るROA(総資産利益率)が重視されるべきです。さらには自己資本を拡充して強靭な財務構造に変革していくことも求められています。

 このような事業構造、収益構造、財務構造の変革を三位一体で改革していくことは、短期的なリストラなどでは達成できません。今回のコロナですべての人と組織に求められているのは、「シンカ」です。それは、「真価」であり「進化」です。さらには、企業DNAまでをも刷新していくようなトランスフォーメーションが求められていると言えるでしょう。

 数年おきに危機が来る中で事業を継続していくには、いかに対応力のある組織を作るかが重要となります。そうした中では、自らが持続可能なビジネスの形成を追求し、持続可能な社会の形成に貢献していかなければなりません。

SHARE

関連記事

早大IT戦略研究所 根来龍之氏 「日本の大企業だけがDXに後れを取っているわけではない」

2021.06.04

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第67回

早大IT戦略研究所 根来龍之氏 「日本の大企業だけがDXに後れを取っているわけではない」

AIが営業のネクストアクションを示唆! 〇〇〇で営業の生産性向上を目指す

2021.05.28

これからの時代に求められるデータ利活用第10回

AIが営業のネクストアクションを示唆! 〇〇〇で営業の生産性向上を目指す

新規事業立ち上げ時に考えるべき4箇条

2021.05.27

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第28回

新規事業立ち上げ時に考えるべき4箇条

咳の音でコロナ感染が分かるアプリが登場

2021.05.24

シリコンバレー通信第37回

咳の音でコロナ感染が分かるアプリが登場

“センスのなさ”から始める「発注力」の重要性

2021.04.20

IT&ビジネスコラム第2回

“センスのなさ”から始める「発注力」の重要性

【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋

2021.04.15

IT&ビジネスコラム第1回

【激白】NTT Comの“危機感”とDX事業の勝ち筋

横河電機が推進する“インターナル”と“エクスターナル”両輪でのDXとは

2021.04.14

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第64回

横河電機が推進する“インターナル”と“エクスターナル”両輪でのDXとは

味の素社のDX戦略「規模を追う経営から、DXで社会を変革するパーパス経営へ」

2021.04.02

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第63回

味の素社のDX戦略「規模を追う経営から、DXで社会を変革するパーパス経営へ」