2019年にいよいよ電波免許割り当てが開始されたローカル5G。製造業がローカル5Gを採用するメリットはどのようなものなのか、この利用によって、With/Afrerコロナの製造現場は今後どのように変わっていくのか、予測していきたい。
なぜ製造業の現場でローカル5Gが期待されているのか?
2019年12月より免許割り当てが始まり、盛り上がりを見せつつある「ローカル5G」。このローカル5Gに関して、強い期待を抱いているのが製造業の分野である。
製造業では近年、IoTとクラウドの活用による、スマートファクトリーに関する取り組みが注目されている。従来では取得が困難であった工場のさまざまな機器の情報を収集し、機器同士を協調動作させるなどして生産効率を高めるものだ。
このスマートファクトリーを実現化するネットワークとして、5Gが最も有望視されている。なぜなら5Gは高速大容量通信、超低遅延、多数同時接続といった特徴を兼ね備えているからである。従来のIoTの活用にとどまらない、より高度な機能を実現できる可能性があるのだ。
例えば高速大容量通信を生かすことで、作業員の動きを分析したコーチングや、人とロボットの協調作業などに活用できる。また超低遅延を生かすことで、遠隔でのクリティカルな操作などが実現でき、多数同時接続を使えば、工場内のあらゆる機器やセンサーを無線で接続できるようになる。そうなれば、メンテナンスをしやすくなるだけではなく、工場のレイアウトフリー化も実現しやすくなるなど、非常に多くのメリットが生まれるだろう。
だが5Gの活用に関しては、携帯電話会社が既にパブリックな5Gネットワークの構築を進めている。にもかかわらず製造業で、このローカル5Gが注目される理由はどこにあるのだろうか。