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IoT・AI・クラウドに○○が加わることで、DXはさらに加速する
2021.01.27

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第18回

IoT・AI・クラウドに○○が加わることで、DXはさらに加速する

著者 斎藤昌義

 新型コロナウイルスの流行に伴い、「DX」というワードがビジネスシーンで注目されています。

 DXはDigital Transformationの略で、とかく「テジタル化」と区別されることなく使われがちです。しかし、DXの本来の意味は、デジタル技術がもたらす新しい常識に企業が適応するために企業文化を変革することであり、そのためにはCPS(サイバーフィジカルシステム、現実世界をデータで捉え、現実世界とデジタルが一体となってビジネスを動かす仕組み)をビジネスプロセスに組み入れることである、と前回説明しました。

 それでは、CPSをビジネスに組み入れるためには、どのようにすれば良いのでしょうか? 今回は、CPSを支える「IoT」「AI」「クラウド」という3つのテクノロジーが、どのようにはたらいてDXを実現するのかを、解説します。

IoTで現実をデジタル化し、AIで最適解を見つけ出す

 繰り返しになりますが、CPSとは「現実世界をデータで捉え、現実世界とデジタルが一体となってビジネスを動かす仕組み」のことです。すなわち、「データ」が取得できなければ、CPSは機能しません。

 このデータを生みだすテクノロジーが、IoTです。IoTは、モノに組み込まれたセンサーによって、現実世界のアナログな「ものごと」や「できごと」をデジタルデータに変換して、ネットに送り出します。現実世界のデジタルコピーである「デジタルツイン」を作るための、基本となる仕組みということができます。

 IoTによって生み出したデジタルツインのデータを解析し、これから起こることの予測や最適解を見つけるのが、AIの技術のひとつである機械学習の役割です。

 このような技術を組み合わせれば、自分で周囲の状況を捉え、どうすべきかを判断して行動できるように進化します。これを「自律化(Autonomy)」と呼びます。つまり、人間が事細かに指示を与えなくても、自らが状況を判断し、最適な行動が選択できるのです。この機能をモノに組み込むことで、モノの自律制御も可能になります。

 そんなAIが実現しようとしているのは、「人間にしかできなかった」ことを代替し人間の作業を効率化すること、そして「人間にはできなかった」ことを実現し、人間の能力を拡張することです。

 「人間にしかできなかった」ことの代替例の例としては、次のようなものがあります。

・自動運転自動車がトラックやタクシーの運転手に変わって仕事をする
・産業用ロボットが工場のものづくりを担う
・自律飛行可能な無人機(ドローン)が設備の点検や荷物を届ける
・音声を認識し、言葉の意味や文脈を解釈し、検索やプログラム操作する
・日本語を様々な言語に、即座に翻訳する

 一方で、「人間にはできなかった」ことを可能にする例としては、次のようなものがあります。

・人間には一生かかっても読み尽くせない膨大な学術文献や法律文書を読み、これを分析し、最適な解釈や判断基準を示す
・遺伝子やタンパク質の膨大な組合せを検証し、これまでにない薬や個人に最適化されたカスタムメイドの薬を創り出す
・犯罪の発生場所や犯罪の内容を予測し、指定された地域のパトロールを強化することで検挙率を増やし犯罪の発生率を減らす
・障害者や高齢者の筋力や認知能力をロボットとともに補完し日常生活を快適なものにしてくれる
・言語の異なる人同士がリアルタイムで対話し、意思疎通を図る

 AIについては、“これまで人間にしかできなかった仕事を奪ってしまうのではないか”という懸念の声もあります。しかし、たとえ新しいテクノロジーに仕事を奪われたとしても、人間にはまだまだ別の仕事がたくさん残っています。

 かつて人間は、自らの手によってものづくりをしてきましたが、製造工程の機械化・自動化が進んだことで、納期の短縮や製品のコストの削減が実現し、人間は管理やサービスといった仕事に役割を転じてきました。人間は道具とともに進化してきたわけですが、AIもまた、人間の進化の延長線上にあると捉えるべきでしょう。

 特に少子高齢化が進む我が国では、働き手が少なくなっていきます。不足する労働力を補い経済や生活の質を維持するためには、AIをうまく使いこなしていく必要があります。

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