このBlue Prism CloudとAIを組み合わせた事例として、英国のある病院における入力処理の自動化があります。新型コロナウイルス感染症のPCR検査の結果などを現場の担当者がスマートフォンから1度入力すれば、デジタルワーカーがデータを成型して院内の各システムに自動で反映する仕組みです。
また予約業務にデジタルワーカーを導入した例もあります。予約の3日前になると、デジタルワーカーが、患者にメールやチャットなどで受診の意向を確認。もしキャンセルが出ると、受信すべきタイミングが近づいているほかの患者に受診を勧め、病院の稼働率の維持・向上につなげています。
保険会社における請求処理において複数の言語で対応する必要がある場合にも、Blue Prism Cloudは有効です。通常の請求処理におけるデータの入力、システムへのデータ投入に加え、複数言語に対応する場合は翻訳もしなければならないため、多くの人手が必要でした。しかしBlue Prism Cloudを活用すれば、翻訳からデータの入力、データの投入までをデジタルワーカーで自動化し、人が対応しなければならない業務を大幅に削減できます。
コールセンター業務では、問い合わせなどの応対にデジタルワーカーを活用することができます。たとえば、キャンペーンの実施などにより突発的に問い合わせの増加が想定される場合、そのタイミングだけ人材を確保するのは現実的ではありません。このようなケースにBlue Prism Cloudのデジタルワーカーを活用すれば、人手に頼らない問い合わせへの応対を実現することができ、新たな人材を確保するためのコストも削減できます。
このようにBlue Prism Cloudにはさまざまなユースケースがありますが、それらを自社に適用する際に大いに役立つのが「Blue Prism Digital Exchange」の存在です。これはデジタルワーカーそのもの、あるいはデジタルワーカーの開発に必要な“部品”を容易に入手できるマーケットプレイスです。
「デジタルワーカーの活用を支えていく上で、エコシステムは非常に重要であると考えています。そのエコシステムの基盤として、我々が提供しているのがBlue Prism Digital Exchangeであり、すでに1,800 以上(2020年 12 月時点)の自動化関連技術が登録されています」(小林氏)