2020.12.25
ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第14回
デジタル技術の急速な発展にも追従できるDX人材・DX組織とは?
著者 三谷 慶一郎
DX人材を自社に繋ぎ留めるには「リスキル機会」を与えることが必要
最後にもうひとつ。ようやく獲得したDX人材がすぐに他社へ転職してしまうという声も最近よく聞こえてきます。優秀なDX人材がたくさんいるわけではないですから、企業にとっては大きな問題だと思います。
優秀なDX人材を引き留めるためには、「新しいスキルを学びなおす(リスキル)機会を与える」ことが重要であると、「DX経営戦略」には書かれています。調査結果によれば、1年以内に会社を辞めようと考えている人材の割合は、リスキル機会を与えることによって何と1/15くらいに抑えられるそうです。
確かにDXの推進において必要となるスキルはどんどん変化し、増えていきます。それにも関わらず長期間同じような仕事ばかり担当させられ、リスキルの機会も与えられないのであれば、その人材が自らの成長が停滞してしまうことに対して焦りを覚えてしまうのは無理ないことでしょう。組織や人材に対し、可能な限りリスキルのチャンスを与えるべきだと考えます。
DX人材の育成とDX組織の整備、これらはともにすぐに結果が出ない息の長い活動です。それでもスタートするしかありません。時間はかかると思いますが、苦労して得られたこれらのケイパビリティ(強み)は、企業にとって大きな競争力の源泉になることでしょう。
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