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デジタル技術の急速な発展にも追従できるDX人材・DX組織とは?
2020.12.25

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第14回

デジタル技術の急速な発展にも追従できるDX人材・DX組織とは?

著者 三谷 慶一郎

御社は変化を恐れずリスクを許容できる組織ですか?

 コロナ禍というとてつもない社会課題が出現した環境においても、残念ながら今のところこれらの社会課題に立ち向かうような新しいデジタルビジネスは国内の企業からは出てきていないようです。従来から国内企業、特に大企業においてなかなかイノベーションが起こらないということはよく言われてきました。個人的にはその理由の多くは、人材にではなく組織の方にあると考えています。

 残念ながら多くの企業は、”Japan as NO1”と呼ばれた高度成長期の組織形態から抜け出せてはいません。その頃の企業のミッションは「効率化」にありました(デジタルも効率化のための技術になっていました)。特定の製造物をいかに安く、いかに品質よく作り上げるか、それが目的であり、当然ながら組織もそれに最適化しています。あらゆる活動において、目指すべきゴールを明確化し、計画された手順に従って忠実に実行されることが前提になります。

 安定的なビジネスを望み、リスクの発生を極度に恐れ、重厚なガバナンスによって、リスクを事前にチェックし排除することに最大限の努力を払います。さらに、効率追求のために自組織内の求心力を向上させることが優先され、組織外部とのコミュニケーションは二の次になってしまっています。

 このような環境で新しいビジネスが生まれ、育つでしょうか? 顧客の反応を見ながら柔軟にビジネスを変化させていくといった、計画が立てにくいようなアプローチは歓迎されません。リスクの事前排除を強烈に行うことは、やっと生まれた新しいビジネスの萌芽をむしり取ってしまうでしょう。

 外部とのアライアンスを軽視し、自組織内のリソースしか使わなければ、ビジネス推進にスピードは生まれません。さらにいえば、自組織内の同じカルチャーの中で、新しいアイディアのきっかけになるような異質な考え方が出てくる可能性は低いでしょう。いずれからみても、このような組織からイノベーションは生まれにくいことは間違いありません。

「DX経営戦略」の書籍においても、DXをうまく推進している成熟した企業の組織ほど、「コラボレーティブで、リスクを許容し、アジャイルに変化できるように取り組んでいる」という結果が出ています。経済産業省の報告書でも、人材を育成するためのポイントとして「一定の失敗が許される、挑戦・実践を繰り返す環境を整えること」ということが書かれています。

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