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トヨタが「Woven City」で狙うのは、DXのプラットフォーマー
2020.11.18

ニューノーマル時代にビジネスはどう変わるのか第12回

トヨタが「Woven City」で狙うのは、DXのプラットフォーマー

著者 田中道昭

スマートシティのプラットフォームは、すべてのDXのインフラとなる

 スマートシティのプロジェクトにおいては「プラットフォームをつくる」ことが重要な戦略となっています。それは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を巡る戦いにおいては、特定の事業や製品・サービスではなく、プラットフォームを構築できたか否かが競争の条件となっているからです。

 それをどのように実現するかについて、現代社会における重要な産業としてソフトバンクグループの孫正義会長がよく口にする「ビッツ(Bits)」「ワッツ(Watts)」「モビリティ(Mobility)」のゴールデントライアングルがヒントになります。

 ビッツは情報(information)で、ワッツはエネルギー、それにモビリティ、この3つが非常に重要な産業で、これらにデジタル化、DXの波が押し寄せていることで、ビジネスチャンスとして有望視されています。

 私は、トヨタが掲げるスマートシティへの取り組みの先には、この3つのトライアングルをつなぐための「通信プラットフォーム」「交通機関プラットフォーム」「エネルギープラットフォーム」があると考えています(下図)。

 「通信プラットフォーム」には5GやAR/VRといった技術が、「交通機関プラットフォーム」には自動運転やMaaSが、「エネルギープラットフォーム」にはエコシステムやSDGsへの取り組みがあります。この3つのプラットフォームが、それぞれモバイル端末やペイメント(決済)、さらに情報、サービス、サブスクリプションといった形で連携されることで「コネクティッド・シティ」が実現し、ひいてはそれが産業や社会システムのプラットフォームとなっていくのです。

 たとえば、5Gで制御された自動運転タクシーをスマホで自宅前まで呼び、目的地に着いたら料金が自動で精算されるといったことも、安定した通信と電力供給、プラットフォームをまたがってスマホから決済のためのクレジットカード情報にアクセスできるなど、インフラと情報、サービスなどが3つのプラットフォームで連動していなければ実現できません。

 これは言い換えると、あらゆる産業と社会システムを連携させるプラットフォームです。「スマートシティのプラットフォームは、すべてのDXのインフラとなる」と言えますし、「スマートシティのプラットフォームには、すべてのDXのテクノロジーが凝縮されてくる」とも言えるでしょう。

 トヨタは今年3月にNTTとスマートシティの共同事業化を目的とする資本業務提携を発表しましたが、その背景にはスマートシティを通じて、このような横断的な「DXのプラットフォーム」を構築していく狙いがあると考えています。この戦略は、トヨタの「Woven City」のニュースリリースでも図表とともに詳細に書かれています。

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