――本題に移ります。新型コロナウイルスの影響で、井坂さんの留学ビジネスも大きく変わったと思いますが、現在のビジネスの状況を教えて下さい。
井坂:3月には全生徒がフィリピンを離れ、帰国しています。その後は、オンラインで授業を行うスタイルに移行しています。
――いわゆる「オンライン英会話」のようなスタイルになっているということですね。ですが、競合するサービスも多いように思えるのですが。
井坂:ええ。しかも、新型コロナウイルスの影響で語学学校によるオンライン英会話の新規参入はさらに増え、大量に淘汰されるでしょう。
しかし、当校のコンセプトは「オンライン留学」です。「オンライン英会話」とは異なります。
オンライン英会話は1回で25分間が主流です。それに、アルバイト講師も多いです。その都度変わる講師に自己紹介ばかりして、本格的なスピーキング力は身に付きにくいのです。
オンライン留学では、一人ずつカリキュラムを組み、1日最大3〜5時間の授業を一定期間受けていただきます。
授業時間外でも、よりリアルなセッティングを再現しています。今回導入した「Remo」というシステムでは、各教室やラウンジ、ヘルプセンターや食堂、自習室、トイレや喫煙エリアが画面上に表示され、講師と生徒は自由に“行き来”できます。さらに、校内放送やイベントもあります。
例えば昼休みに食堂に居合わせた講師と喋り、「放課後」に「自習室」で、他の生徒と「一緒に」勉強することも可能です。こうしたホリスティック(総体的)な体験が、語学力の向上、異文化理解にもつながります。ビデオ通話の機能を効率的に使うことだけを考えるのは、はっきりいってもったいないのです。