在宅勤務に固有のトラブルとして、「SNSによる情報漏えい」という問題があります。自宅で仕事をするという非日常の状況に気がゆるんでしまい、つい仕事中に個人用のSNSアカウントで投稿をしてしまう従業員も、中にはいるはずです。しかし、投稿した写真の中に、わずかにパソコンの画面が写り込んでいれば、顧客の個人情報や営業情報が解析されるおそれがあります。
特に注意をしておきたいのが、ペットを飼っている従業員です。2020年4月以降、SNSでは猫がパソコンの上に寝そべる様子など、ペットと一緒の仕事風景を投稿する人が増えており、まとめページができるほどの盛り上がりを見せています。その中の写真の多くで、仕事中の画面が写り込んでしまっています。ここから情報漏えいが発生する可能性は、決してゼロとはいえません。
SNSによる情報流出を防ぐためには、就業規則にSNSのルールを定め、社員に周知しましょう。勤務時間外のSNSは制限できないものの、「会社支給のパソコンの電源が入っている間はSNSを禁止する」「勤務時間中のSNSを一切禁止する」等のルールは可能です。違反した場合に懲戒処分や刑事告訴の対象となることを明文化すれば、社員の緊張感が高まります。
アメリカのフィッシュボール社の調査では、在宅勤務者の4割以上が勤務中にお酒を飲んだことがあると回答しています。アルコールによって判断能力が鈍ると、SNSに不適切な投稿をするなど、業務時間内なのに業務外のことをしてしまう可能性も高まります。在宅勤務における、業務時間内の振る舞い方について、今一度ルールづくりをしておいた方が良いでしょう。
在宅勤務の本格導入を検討している企業も、すでに本格的に導入している企業も、今回紹介した在宅勤務の「穴」に落ちないよう、注意のレベルを高めてみてはいかがでしょうか。