この問題を解決するべく、昨今多くのISPでサービスメニューに追加されたのが「IPoE」と呼ばれる新たな接続方式を採用したインターネット接続サービスです。フレッツ網を利用したインターネット接続サービスでは、これまで「PPPoE」と呼ばれる接続方式が使われていましたが、IPoEはPPPoEに比べて大容量での接続が可能な新たな接続方式です。
IPoEを利用することで、どういったメリットが生まれるのでしょうか。その件について答えたのは、同社の工藤貴幸氏です。
「IPoEの最大のメリットは、フレッツ網とISP間をつなぐ設備が大容量化されることです。IPoEは従来のPPPoEよりも広帯域で接続しており、混雑を大幅に緩和できます。さらに弊社では、この広帯域接続というメリットを生かし、DPI装置(通信の特性に応じて帯域を柔軟に制御可能)を活用し、ターゲットのお客さま、サービスレベルに合わせて帯域を設計し、お客さまのニーズに合わせたサービス提供を実現しました。
フレッツ網を用いたインターネット接続サービスを利用している環境で、クラウドサービス等のアプリケーションが快適に使えない(反応が遅いなど)、Windows Updateが始まるとアプリケーションの反応が実質的に使えないほど遅くなるなど、業務に支障が生じる場合、これまでは複数のインターネット接続サービスを利用して通信を分散する、高価なギャランティ型の回線サービスを利用するなどの手立てしかありませんでした。
しかし、IPoE方式を用いたサービスを使えば、手軽かつコスト負担を抑えた形でインターネット接続回線の混雑による悪影響を避け、快適なネットワーク環境を実現することが可能です。こうした点で、新たなIPoE方式によるインターネット接続サービスは注目すべき存在だと言えるでしょう。
IPoE方式の導入
