“インターネットが遅い”を解消!!

クラウドを快適に使うための解決策「IPoE」とは

2018.09.14 Fri連載バックナンバー

 ビジネスにおいてクラウドサービスの利用などでインターネットの重要性が増す一方、動画閲覧等によるインターネットトラフィックの急増に伴う通信速度の低下は、法人のお客さまのインターネットの業務利用に大きな影響を及ぼす課題となっています。その解決策として大きな期待を寄せられているのが「IPoE」です。従来のインターネット接続とは何が違うのか。NTTコミュニケーションズ株式会社の永作智史氏、市原孝浩氏、工藤貴幸氏に解説していただきました。

 

業務でのクラウド利用の進展に伴い、インターネットの混雑による通信速度低下が新たな課題に

 メールやドキュメント作成、情報共有などの基盤としてマイクロソフト社の「Office 365」やGoogle社の「G Suite」、またファイルを社内外で共有するためにBox社の「Box」など、多くの企業でインターネット上で提供されるクラウドサービスの業務での利用が当たり前になりつつあります。こうした状況の中、新たな課題として浮かび上がっているのが、インターネット混雑時の通信速度低下によりクラウドアプリケーションが快適に使えない事象です。

 一般に通信時間が比較的短く完結し、データ量も小さいWebサイトの閲覧やメールの送受信に対し、クラウドサービス利用ではPC端末等とクラウド間の通信が継続的になり、データ量も多くなります。このため業務で本格的にクラウドサービスを利用し始めると、インターネット接続回線で従来に比べより多くの通信帯域を消費します。オフィスのインターネット接続環境で十分な通信帯域がないと、クラウドサービスが快適に利用できず、業務に支障が生じる可能性が高くなります。

 もうひとつ、企業のインターネット接続で課題となっているのがマイクロソフト社のWindows Update(正式名はセキュリティ更新プログラム)です。マイクロソフト社は定期的にWindows OSやアプリケーションの脆弱性などを修正するパッチ(修正プログラム)をインターネット上で定期的に配布しています。

 利用環境が家庭でWindows Updateを行うパソコンが数台であれば消費される帯域も大きくありませんが、数百人の従業員のパソコンが一斉に修正プログラムをダウンロードすれば、一時的に多くの帯域を消費するため、結果としてクラウド利用の通信が圧迫され、業務に支障を生じる可能性が高くなります。

インターネットが遅くなる要因の1つはフレッツ網とISP間をつなぐ設備での混雑

 とはいえ、光ファイバーの利用が主流となった現在のインターネット接続サービスは、1~10Gbpsの最大通信速度が実現されています。それだけの通信速度がありながら、なぜインターネットの利用速度が遅くなってしまうのでしょうか。

 その原因の1つとなっているのは、NTT東日本・西日本のフレッツ網とISP間をつなぐ設備での混雑による影響です。フレッツ網を利用したインターネット接続サービスでは、お客様拠点から光ファイバーなどのアクセス回線を使ってフレッツ網に接続し、さらにISPのネットワークを介してインターネットに接続する構成となっています。この一連のネットワークを構成する設備は複数のお客さまで共有されますが、従来型(PPPoE方式という)の設備は、共有しているお客さまの通信量増加で混雑が発生しやすく、結果として通信速度が低下しやすい構成となっていました。

 近年、トラフィックが大きく増加し続けることによって混雑が顕在化していると話すのはNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTTコミュニケーションズ)の永作智史氏です。

「近年、コンシューマのお客さまでは動画視聴、法人のお客さまではクラウドサービスの利用が広まるなど、インターネットの利用形態が大きく変わったことで、毎年1.4倍のペースでトラフィック量が増加しています(※)。このため、弊社を含め、ISPの設備増強が十分に追い付かず、フレッツ網とISP間をつなぐ設備での混雑が常態化している状況です」

※総務省 総合通信基盤局「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」(2018年2月27日)より

 

飛躍的に伸びるインターネットトラフィック

「PPPoE」に変わる接続方式として登場した「IPoE」

 この問題を解決するべく、昨今多くのISPでサービスメニューに追加されたのが「IPoE」と呼ばれる新たな接続方式を採用したインターネット接続サービスです。フレッツ網を利用したインターネット接続サービスでは、これまで「PPPoE」と呼ばれる接続方式が使われていましたが、IPoEはPPPoEに比べて大容量での接続が可能な新たな接続方式です。

 IPoEを利用することで、どういったメリットが生まれるのでしょうか。その件について答えたのは、同社の工藤貴幸氏です。

「IPoEの最大のメリットは、フレッツ網とISP間をつなぐ設備が大容量化されることです。IPoEは従来のPPPoEよりも広帯域で接続しており、混雑を大幅に緩和できます。さらに弊社では、この広帯域接続というメリットを生かし、DPI装置(通信の特性に応じて帯域を柔軟に制御可能)を活用し、ターゲットのお客さま、サービスレベルに合わせて帯域を設計し、お客さまのニーズに合わせたサービス提供を実現しました。

 フレッツ網を用いたインターネット接続サービスを利用している環境で、クラウドサービス等のアプリケーションが快適に使えない(反応が遅いなど)、Windows Updateが始まるとアプリケーションの反応が実質的に使えないほど遅くなるなど、業務に支障が生じる場合、これまでは複数のインターネット接続サービスを利用して通信を分散する、高価なギャランティ型の回線サービスを利用するなどの手立てしかありませんでした。

 しかし、IPoE方式を用いたサービスを使えば、手軽かつコスト負担を抑えた形でインターネット接続回線の混雑による悪影響を避け、快適なネットワーク環境を実現することが可能です。こうした点で、新たなIPoE方式によるインターネット接続サービスは注目すべき存在だと言えるでしょう。

IPoE方式の導入

Windows Update通信を分離するワイドプランも用意

 このIPoE方式を採用した、NTTコミュニケーションズの新たなインターネット接続サービスが「OCN光 IPoEサービス」です。このサービスの大きな特長として、まず法人のお客さま専用の設計が行われていることが挙げられます。具体的には、NTTコミュニケーションズが提供する個人向けOCNサービスと、法人のお客さま向けである本サービスは、通信を論理的に分離しており、個人のお客さまによる動画サイトへのアクセス集中などで通信量が増加した際も、本サービスに悪影響を及ぼさない設計となっています。また、本サービスでは、お客さまの利用形態にあわせた2つのプランが用意されており、「標準プラン」においては、従来のPPPoE方式のサービスと比べて帯域設計が2倍となっており、混雑しにくいネットワークとなっています。

 もうひとつ見逃せないのは、OCN光 IPoEサービスの上位メニューとして用意されている「ワイドプラン」です。このプランでは、Windows Updateのトラフィックを業務利用など通常のインターネット通信と論理的に分離する設計としており、修正プログラムのダウンロードが始まっても通常の業務利用には影響を与えない設計となっています。これにより「Windows Updateが始まったため、クラウドサービス/アプリケーションの反応が遅くなった、止まった」などといった問題を解消します。

 標準プランとワイドプランでは、帯域設計も異なると話すのは、同社の市原孝浩氏です。

「OCN光 IPoEサービスはあくまでベストエフォート型のサービスであり、トラフィックの混雑を完全に避けられるわけではありません。しかしながら混雑している中であっても、どの程度のスループットで通信することができるか、その帯域設計も標準プランとワイドプランでは異なっています。具体的には、ワイドプランは混雑時でも標準プランの3倍のスループットで通信できる設計にしています。このワイドプランの設計については、百人規模のオフィスでOffice 365やG Suiteといったクラウドサービスを快適に使えることを想定しました」

 Windows Updateの影響を回避できることに加え、ネットワークが混雑している状況でも快適にクラウドサービスが使えることは、業務でインターネットを利用する上で大きなメリットとなるでしょう。単に回線を提供するだけでなく、ビジネス利用を想定した機能が組み込まれている点は、OCN光 IPoEサービスの大きなアドバンテージではないでしょうか。

「OCN光 IPoEサービス」の3つのプラン

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クラウド型UTMでセキュリティ対策を強化

 セキュリティ対策が不十分、あるいはセキュリティに詳しい人材がいないなど、現状のセキュリティ対策に課題を持っているお客さまのために、IPoE方式によるインターネット接続にUTMの機能をバンドルした「OCN光 IPoE vUTMセット」も用意されています。

 このサービスで提供されるUTMはオフィスに設置するタイプではなく、ネットワーク上で提供されるクラウド型となっています。これにより、セキュリティを検知するパターンファイル(シグネチャ)をNTTコミュニケーションズ側でタイムリーに適用するため、お客さま側での運用負担が大幅に軽減されます。また、あらかじめNTTコミュニケーションズが推奨するセキュリティポリシーが組み込まれているため、煩雑な設定を行うことなく、そのまま使い始められることもポイントでしょう。

「UTM機器をオフィスに設置するオンプレミス型の場合、設定やパッチの適用をお客さま自身で行っていただくことになります。とはいえセキュリティやネットワークに詳しい担当者がいない場合、お客さま側でそのような作業を行っていただくのは負担が大きいでしょう。しかしOCN光 IPoE vUTMセットであれば、そのような手間をかけることなくインターネット利用時のセキュリティを高めることが可能であり、これが大きなメリットです」(市原氏)

「OCN光 IPoE vUTMセット」の特長

 そのほか容易にインターネットVPN環境を構築できる「OCN光 IPoE VPNセット」も用意されるなど、幅広いオプションが提供されていることもNTTコミュニケーションズの「OCN光 IPoEサービス」の特長です。クラウドサービスの利用速度が遅いなど、すでにインターネット環境に課題を抱えている企業はもちろん、今後トラフィック量の増加が見込まれる企業においても、問題が生じる前に既存の環境からの乗り換えを検討してはいかがでしょうか。

※掲載されている内容は公開日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。

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Bizコンパス編集部

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