このように、日本の多くの企業で紙の書類の処理がDX推進の妨げとなっています。それを解決するため、NTT Comでは10月下旬に請求書をはじめとするビジネスシーンでの紙の書類を電子化する、クラウド型請求書電子化サービス「BConnectionデジタルトレード」をリリースしました。
このサービスの特長は、クラウド型サービスのため専用システムを準備することなく使い始められることです。ネットワークに接続できるPCさえあれば、請求書、見積書、注文書といった文書を電子化できます。
基本料金は無料のため、1回限りの取引など必要なときだけ利用することも可能です。さらに、追加機能である「支払依頼承認フローサービス」を使えば、請求書受信後の明細情報の付与や上長承認など、社内ルールに沿ったワークフロー処理に対応できます。
NTT Comの廣田龍太郎氏は、この支払依頼承認フローサービスがBConnectionデジタルトレードの強みと話します。

NTTコミュニケーションズ株式会社
アプリケーションサービス部
第二クリエーション部門
廣田龍太郎氏
※本インタビューはWeb会議にて実施しました
「たとえば請求書を受け取った担当者からスタートして、経理部の承認で完了するワークフローを組んだ場合、承認依頼ボタンを押すと経理部にデータが回り、経理部が承認ボタンを押すとワークフローが完了します。スマホを使った承認もできるため、オフィスに出社して承認をする必要もありません」
これに加えて、BConnectionデジタルトレードでは請求書を国際標準規格のUBL(Universal Business Language)を採用しており、追加機能である「データ連携サービス」を活用すれば、社内経理システムへの自動投入も可能になります。請求書の情報を手作業でシステム投入する稼働が減り、入力ミスの心配も無くなるでしょう。
「国内のインボイス制度への対応はもちろん、45カ国の法制度、25言語の画面表示に対応しているため、海外企業との取引にも使えます。さらに改正電子帳簿保存法に準拠してデータが一括管理できるため、紙書類の原本管理も不要です。請求書をPDF形式で電子化するサービスとは、この点が大きく異なります。」(廣田氏)
NTT Comによる試算では、月1000枚の請求書を処理すると仮定したとき、請求書のための出社や作成作業、社内回覧や押印、郵送などで業務に要する時間は月500時間以上となるといいます。BConnectionデジタルトレードの導入によって、それらの業務時間を1/10以下の30~40時間と大幅に短縮することが期待できるといいます。