2020.02.14
働き方改革&生産性向上のカギはどこにある?第25回
有識者が明言「日本企業はRPAを全然使えていません」
著者 Bizコンパス編集部
RPAはイノベーションを起こす第一歩である
岸氏は日本経済の未来を厳しく見通した一方で、「やるべきことをやっている企業は、十分明るい将来展望をつくることができるはずです」とも話します。岸氏はその「やるべきこと」が、“イノベーション”であるとしました。
「イノベーションという概念に対して、もしかすると『非常に高度な知識やノウハウが必要で、簡単には取り組めない』と誤解する人もいるかもしれません。ですが、経済学者のヨーゼフ・シュンペーター氏は、イノベーションを『世の中に存在するものの中から、新しい組み合わせを創ること』と定義しています。つまり、新しい組み合わせを探し出す作業が、イノベーションなのです」(岸氏)
岸氏はRPAを、イノベーションを生み出す第一歩と位置づけています。
「オフィスワークの世界に関して言えば、RPAを導入することが、企業のビジネスとデジタルの新しいコンビネーションを創り出すことになります。つまり、RPAはイノベーションの1つといえます。RPAの導入により、人間がやっていた仕事を自動化でき、その結果、従業員は自由な時間が生まれます。その時間で、さらに新しいイノベーションが創出できるでしょう」(岸氏)
安部氏と岸氏の講演に共通しているのは、RPAは単純に業務工数を削減するものでなく、そこから新しいビジネス、あるいはイノベーションを生み出すものである、という点です。RPAで効果を出せる企業になるための鍵は、単に「RPAが流行しているから」と安易に導入するのではなく、RPAを導入した先を見通せるか否かにかかっているようです。