2020.01.24
働き方改革&生産性向上のカギはどこにある?第22回
面倒な「交通費精算」を、モバイルSuicaと連携して効率化する方法
著者 Bizコンパス編集部
会社から支給されたお金を不正利用しちゃったらどうするの!?
Smart Goを導入した企業は、従業員から許可を得たうえで、JR東日本のSmart Go専用サーバーから、自動で利用データを取得します。そのため、申請漏れや記入ミスは発生しない仕組みとなっています。NTT Comによると、モバイルSuicaの利用データ取得に関する技術は、NTT Comのアカウントアグリゲーション(複数の取引情報を、一つの画面に一括表示する)サービス「Agurippa」で培われたといいます。
「モバイルSuicaに、事前に交通費が入金される」ということは、会社のお金が不正な用途に用いられる恐れもあります。しかしSmart Goでは、利用履歴がすべてデータとして残っているため、画面やCSVファイルとしてダウンロードして、用途が確認できます。
たとえば休日にモバイルSuicaが利用された際には「要確認フラグ」が自動で立ち、上長は適正利用か否かを従業員に確認した後、従業員側のミスであればリジェクト(却下)する、といったことも可能です。川田氏によれば、将来的には上長の承認もAIが代行することも可能であるといいます。

従来の立て替え精算の場合、実際には交通費が発生していないのに、発生したとして申請する、いわゆる「カラ出張」の不正が発生してしまう恐れがあります。一方、Smart Goでは、実際に交通費を支払った履歴が残っているため、カラ出張のような不正な申請は、そもそもできない仕組みとなっています。
「コンシューマの世界では、数百円、数千円の支払いでも、クレジットカードを使うことはすでに珍しくありません。そのような時代に、なぜ従業員にはコーポレートカードを持たせてもらえないのか。それは、社内ルールがあるからです。
古い慣習やルールに引きずられ、利便性がないがしろにされているのが、従業員向けサービスの現状です。我々は従業員ファーストでこの部分を変えていきたい。コーポレートカードで経費精算すれば、利用履歴が残るので不正申請は難しくなりますし、経費精算の手間も軽減される。多くのメリットがあるわけです」(川田氏)