会議の発言内容をテキスト化するサービスは、すでに各社からリリースされています。
たとえば、音声をテキスト化する機能を持った「クラウド型文字起こしサービス」があります。ただ、一般的なクラウド型サービスは、複数の利用者が共有してサーバーを利用するため、データ漏洩が心配です。これに対し、独自サーバーで管理ができるオンプレミス型サービスもありますが、導入コストが高価だったり、専用のマイクを指定していたりと、運用が煩雑になるケースもあります。
毎日繰り返される会議の議事録を、導入コストを抑えつつ、手軽に安全に作成できるサービスはないのでしょうか。実は、先ほどの「議事録の作成で困っていること」の調査を行ったNTT Comが「COTOHA Meeting Assist」というサービスを提供しています。
COTOHA Meeting Assistは、導入コストもランニングコストも安価に利用できる、専有型クラウドサービスで、サービスを利用するための初期費用は無料です。Webブラウザ上で利用できるため、専用ソフトのインスト―ルは不要。PC、スマートフォンといった端末に、市販の外部接続マイクを接続するだけで、手軽に始められます。
同サービスの特徴は、大きく2点に分けられます。まず1つ目は、会議音声を自動記録して重要な発言を抽出し、議事録の共有やタスク管理が簡単にできる点です。
COTOHA Meeting Assistでは、会議の参加者の発言を、それぞれのユーザーが使う外部接続マイクで取得。その音声データは、AIがリアルタイムにテキスト化し、クラウド上に記録していきます。そのため、参加者がわざわざメモを取る必要はありません。音声を聞き直す際は、管理画面で当該部分のテキストをクリックすれば再生できるため、ICレコーダーのように、録音したデータを繰り返し再生し、該当箇所を探し出す必要もありません。
たとえば、会議において「来週水曜までに連絡して」「この内容をまとめて必ず共有してください」といった発言が出た場合、AIがその部分のテキストに「タスク」「重要」といったラベルを自動的に付け、“宿題事項”として管理できます。各タスクには、担当者・期限・優先度などが登録可能で、リマインド機能も搭載しています。これにより、会議で決まった要点や宿題事項を、議事録に抜け漏れなく記録できます。
つまり、COTOHA Meeting Assistを使うことで、「記録」や「整理」といった、議事録を作成する際の面倒くさい作業を、AIが代行してくれる、というわけです。


2つ目は、多言語でも円滑な意思疎通が可能な点です。10言語対応の翻訳機能を搭載しているため、日本語の発言内容を外国語の文章へ、外国語の発言内容を日本語の文章へ、リアルタイムな翻訳が可能になります。グローバルエリアでの会議でも、画面上で意思疎通が図れます。もちろん、議事録作成時の言語は、それぞれの言語で記録されます。

このほかにも、音声や議事メモなどのデータは、利用者専有のクラウドサーバーに保管されるため、情報漏洩のリスクも抑制できます。さらに、音声以外の文字入力にも対応しており、カフェのようなオープンスペースなど第三者に話が聞こえる状況では、声を出さず、チャットで会議に参加することもできます。