働き方改革が取りざたされる中、いかに生産性高く働けるかが、企業の大きな課題となっています。その解決のためにロボットやAI がオフィスで活躍する時代がやってきています。現在注目されているRPA、チャットボットを活用し、労働力不足の時代を勝ち抜くために、企業はどのように考え、何から着手すればいいのか。
2017年12月8日開催「AI時代のワークスタイル変革セミナー」(NTTコミュニケーションズ主催)のNTTコミュニケーションズ株式会社 ICTコンサルティング本部 川口直之氏の講演を取材しました。
生産性向上へは「投資時間」と「消費時間」を考える
大多数の企業が生産性向上を目的とした働き方改革に取り組んでいます。働き方改革の実態調査でも、最も多い取り組みは「長時間労働の是正」です。そのために時間外労働をさせない制度を導入する企業もあるでしょうが、そこには大きな問題点があるとNTTコミュニケーションズ ICTコンサルティング本部 川口直之氏は指摘します。
労働時間は大きく『投資時間』と『消費時間』に分けられます。前者は企業成長に向けた活動の時間で、後者はそれ以外の時間となります。理想は投資時間が増え消費時間が減ることですが、無理に総労働時間を短縮するとまず減るのは投資時間です。消費時間に分類される作業は、削減対策なしに減ることはないからです。そのため、まずは消費時間に分類される業務を定義し、その削減対策の検討から取り組まれることをお勧めしています。
消費時間に分類される業務を定義するには、まず自分達の業務を分析する必要があります。しかし労働時間削減に緊急を要している場合、この分析をせずに『他社の事例を探す』→『その事例がうまくはまらない』→『何をすべきかわからない』という負のサイクルにはまるケースが多いと感じています。業務がひっ迫していて分析が行えない現状であれば、明確な消費時間、例えば事務処理時間や移動時間の削減に実際に取り組むことが、有効な対策だと思います」
図1:無理に総労働時間を短縮すると・・・
