こうしてDMG森精機は、NTT Comと共に取り組みに着手。同社・伊賀工場から対策強化に乗り出しました。具体的には、それまで同じVLAN内にあった基幹系/情報系システム(IT)と工場内システム(OT)のセグメントを論理的に分離し、UTM(統合脅威管理)で双方の間の通信を監視・制限することで、脅威の侵入・拡散リスクを極少化しています。
また、対策の最適な運用方法についても、NTT Comとの話し合いに基づいて策定しています。
「NTT Comのスタッフにもプロジェクトメンバーに入ってもらい、密なコミュニケーションを繰り返しています。対策の適用によりインパクトを受ける現場部門との調整や、担当者の安全管理意識の醸成に向けた働きかけなども行ってもらったおかげで、これまでのところスムーズな展開が実現できています」(大原氏)
現在は、実稼働を通じたノウハウの蓄積を進めているところですが、セキュリティが可視化されたことで、リスクをすぐに発見できる体制になったといいます。評価を終え次第、伊賀工場以外の国内拠点や海外の製造拠点にも同様の対策を横展開していく予定です。
「経営判断を伴う取り組みのため、トップが主体的に関わりながら、スピード感を持って進めていきたいです。NTT Comには、現地での対応を含めて弊社の取り組みを支えてくれることを期待しています」(太田氏)