理由は、業務で使い慣れているクラウドサービスであれば、災害時など緊急事態でも、途惑わず使うことができるためです。言い換えれば、日常業務が「BCMのための訓練」を兼ねることになるのです。
昨今のITトレンドは、資産を「持つ」からサービスを「使う」方向へ、シフトしています。オンプレミスからクラウドへ移行するメリットは、運用コストの削減や事業環境に即応できる柔軟性といった文脈で語られがちですが、クラウドサーバーは堅牢なデータセンターに設置されているため、有事では、事業継続におけるディザスタリカバリーとしての役割も兼ねることができます。
同様に、働き方改革の推進において欠かせないツールとなっているグループウェアなどクラウド型サービスは、社外のどこからでもリモートアクセスできる従業員の労働環境を整えることになるため、災害時に自宅待機をしながら業務に対応できる環境の整備となります。
災害対策単体ではなく、日常的な業務効率化や生産性向上につながる設備投資を兼ねると考えれば、費用対効果への視点からも、予算が組みやすくなるでしょう