企業に求められる、これからの「SNS対策」

「ネット炎上」のピンチをチャンスに変える方法とは

2018.08.22 Wed連載バックナンバー

 TwitterにFacebook、Instagramなど、SNSは今や現代人に欠かせないツールとなりつつあります。独自のアカウントを作って、自社のサービスや取り組みを広く展開するために活用している企業も多いでしょう。

 しかし、SNSは企業にとって良いことばかりではありません。たとえば企業についての苦情・トラブルや流出してはならない内部情報などが、悪評とともに、またたく間に広まってしまうことがあります。これが「炎上」(Web炎上、ネット炎上)と呼ばれるものです。

 炎上は、その内容が事実かどうかに関わらず、放置しておくと業績や信用に大きな悪影響を与えます。はじめはSNSの一部でしか話題になっていなかったものが、徐々に掲示板サイトや悪評がまとめられたサイトに拡散し、やがてはYahoo!JAPANのトップニュースや、テレビや新聞などマスメディアに報じられる恐れもあります。

 Webにおける炎上を放置せず、早急かつ正確に対処するにはどうすれば良いのか? そして、炎上のピンチをチャンスに変えるにはどうすれば良いのか? 社会におけるSNSの利用が当たり前である今、企業に常につきまとう“炎上”問題の解決方法を紹介します。

 

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「炎上」で大ダメージを受けたある企業の顛末

 2017年、米国のユナイテッド航空で発生した “炎上”事件が世界的な話題となりました。

 ある日、同社が就航する便にて、オーバーブッキング(過剰予約)が発生しました。ユナイテッド航空側は搭乗済みの乗客に対し、4人分の席を譲るよう募りましたが、それに応じる乗客はありませんでした。そこで、乗客の中からランダムに降機する4名を指名。しかし、そのうち1名は医師で、フライトの翌日に病院に行く必要があるとして、降機に応じませんでした

 すると機内に空港警察の警察官が入り、飛行機からその医師を無理矢理機外へと引きずり出しました。この時、警察官が医師に対し乱暴を振るったようすを別の乗客がスマートフォンで撮影しており、その動画がTwitterにアップロードされると、またたく間に世界中に拡散され、同社は世界中から非難を受けることになってしまいました。しかも、この事件が発覚した後、同社が社内向けに出した声明の内容が“上から目線”であったことが火に油を注ぎ、批判の声はさらに強まりました。

 結果、同社の株価は急落。ユナイテッド航空への搭乗をボイコットする運動も発生しました。実際に乗客に乱暴を振るったのは同社のスタッフではなく、警察官であるにもかかわらず、同社も大ダメージを受けてしまったのです。

Webでは「悪い経験」がすぐに伝播する

「炎上」とは、このようなSNSなどインターネット上における書き込みや投稿をきっかけとして、一部のユーザーに対し批判や攻撃的なコメントが殺到することです。炎上してしまった企業は、炎上が鎮まるまで、世間からの評判が落ちるなどのマイナスの影響を受け続けることになります。

 日本では現在、炎上の件数が増加しています。少し前の情報ではありますが、株式会社エルテスが2016年に発表したデータによると、2015年のネット炎上の件数は1,002件で、これは2010年の約10倍に当たる数値となっています(102件)。SNSがより浸透した2018年の現在であれば、炎上件数はもっと増加していると推測されます。

 そもそもWebの世界は、「悪い経験をした」など、否定的な意見が集まりやすい傾向にあります。米国の調査では、SNSではユーザー自身が体験した「良い経験」は平均8人に共有するのに対し、「悪い経験」は平均21人に共有されるといいます。炎上の“火種”となるネガティブな話題は、今もSNSや掲示板などに投稿され続けているのです。

 もちろん、すべてのネガティブな話題が炎上につながるわけではありません。ですが、その火種を放置し続けると、SNS上で多大な影響力を持つ「インフルエンサー」が拡散したり、ネットニュースに取り上げられるなどで、大きな炎上につながる可能性があります。

なぜ企業は炎上の「火種」を消せないのか

 それにも関わらず、多くの企業はその火種に簡単に気付けません。なぜなら、そもそも企業側に、炎上の火種をキャッチする仕組みがなく、加えて、火種となるような投稿から潜在リスクを察知するための知識・経験が圧倒的に不足しているからです。そのため火種を放置してしまい、やがて“大炎上”につながってしまうのです。

 たとえ火種を防ぐ仕組みがあったとしても、夜間や休日で従業員が不在の時は、対応が後手に回ってしまいがちです。2016年、某小売業者におけるサポート契約が“悪徳である”と炎上した事件が起きましたが、実はその原因となったSNS投稿は、お盆期間中に発信されたものでした。そのため、多くのスタッフが休暇期間に入っており、企業側の対応が後手に回ってしまいました。

 近年は、テキストを画像化した投稿や、動画による投稿など、炎上の火種を検知しにくい投稿も多く見られます。こうした投稿から、企業にとって炎上リスクとなるような内容が含まれているか否かを判断することは、とても困難です。

 さらにいえば、炎上の火種をキャッチし、初期段階で対処したとしても、そこで“鎮火”できていないと、さらなる炎上を生んでしまうことがあります。

 ある企業が炎上を鎮火するために謝罪文を発表したところ、その内容が「責任逃れ」と判断され、再炎上してしまったこともあります。このような“多重炎上”が発生したことで、企業の売上が前年同月比で約20%減少してしまった企業もあります。

 なぜ炎上が発生しているのか、その鎮火のためにはどのようなアプローチをすれば良いのか、そのポイントを正しく読むことは簡単なことではありません。しかし、そこを見抜けない限り、一度燃え上がった火は鎮まりません。

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「炎上」対策専門のサービスがある

 それでは、企業が炎上を鎮火するためには、どうすれば良いのでしょうか。最も有効な方法が、SNSなどにおける炎上リスクを常に素早く把握し、把握した炎上リスクに対し初期対応の助言ができる、外部のサービスを利用することです。

 企業が24時間365日、SNSや掲示板を監視し続けるのは簡単なことではありません。かつ、“再炎上”しないようにどのようにユーザーにアプローチをするか対策を練ることも、非常に手間もかかる作業です。そのためWeb業界には “火消し”を代行するサービスがいくつか存在します。

 今回はその中から、サービス全体で500社以上(協業先を含む)の提供実績を持つ、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社のリスク対策を例に、炎上の“鎮火”方法を紹介します。

 最も手軽に炎上リスクを検知するツールが「Buzz Finder(バズ・ファインダー)」です。これはTwitterをはじめ、ブログや掲示板といった“クチコミ”を分析する、いわゆるソーシャルリスニングツールの1つです。指定した条件に該当するTwitterの投稿を自動的に監視し、炎上の火種となりうる異変を検知すると、アラートを発する機能を備えています。このほかにも、投稿内容を毎日分析する「日報メール」も利用可能です。

 このBuzzFinderに、専門スタッフによる24時間・365日体制のリスク監視を加えた「ソーシャルリスク対策ソリューション with BuzzFinder」というサービスもあります。炎上なのか、炎上ではないのか判断が難しいリスク検知を、専門の担当者がユーザーに代行して確認を行い、重要と判断されるものについてアラートを発するサービスとなります。

ソーシャルリスニング・リスクモニタリングASP「BuzzFinder」

ツール+有人リスク確認サービス「リスク対策ソリューション」

 さらに上位のサービスとして、リスク発生時のコンサルティングサービスも加えた「Webリスクモニタリング」というものもあります。これは24時間・365日体制のリスク検知に、人だけではなくAIによる監視を盛り込んだもので、アラートの検知精度がより高くなります。加えて、専門のコンサルタントが、リスクが発生した際の初期対応、並びに平常時におけるリスク対応の底上げを支援します。

リスク対策にフォーカスした「Webリスクモニタリング」

素早い「鎮火」はむしろ企業にメリットをもたらす

 実際にこうしたサービスでは、どのように炎上を防ぐのでしょうか? ある“鎮火事例”を見ていきましょう。

 炎上の火種は、ある展示会で起きたちょっとしたトラブルでした。某メーカーの展示ブースを訪ねた訪問者が、ブースの内容について説明員にクレームをつけたところ、その説明員が訪問者に無礼な態度を取ってしまいました。

 訪問者はその無礼な態度を動画で撮影しており、しかも動画サイトにそのファイルをアップロード。動画を見た別のユーザーが、SNSに動画を投稿したことで、メーカーのSNSに批判が次々と集まりました。ちょっとした火種が、大きな炎上につながってしまったのです。

 しかし、この炎上はすぐに鎮まります。公式アカウントは常にWebリスクモニタリングが監視していたため、メーカー側には危険を知らせる通知がすぐに飛んでいました。コンサルタントの手によりこの炎上に関する問題点と対策がすぐに立てられ、メーカーはコンサルタントの文案を元に謝罪文を掲載。すると、炎上は発生から数時間程度で鎮まり、逆にSNS上に「謝罪が的確」「対策が早い」とポジティブな投稿が広まるほどでした。

Webリスクモニタリング 企業リスク対応事例

 このように、炎上への素早い対応は、ポジティブな影響を生む効果もあるのです。

 SNSや口コミサイトなど、顧客側からの発信が当たり前になるこれからの世の中では、炎上が起こってしまうのはどうしても避けられないことです。しかし、その炎上を早めに鎮めることによって、顧客側の不満を解消するだけでなく、逆に顧客満足度の向上に繋げることも可能になります。

 炎上を単なるピンチと見るか、むしろ顧客満足度を高めるまたとないチャンスと見るか。これからの時代、炎上に対する姿勢が、ビジネスの成否を分けるポイントとなるかもしれません。

※掲載されている内容は公開日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。

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Bizコンパス編集部

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