この将来構想を実現するために、NTTコミュニケーションズは、IoT技術の実証実験を行う「グローバルIoTテストベッド」で、制御システムセキュリティ技術の検証と、サービス化を目的とした取り組みを進めています。
実験の目的は、産官学と異業種連携によるIoTセキュリティ管理技術開発の促進で、構築した模擬環境にセキュリティ製品を接続し、サイバー攻撃を検知できるかどうかの比較評価を実施。最終的には、実際の工場やプラントのデータを用いた実証実験まで行っています。
また、企業と連携した共同実験も行われているとのこと。こちらはPLCやSCADAが配置された実際の工場内の通信を異常検知システムで解析し、サイバー攻撃や運用操作ミスを検知できる精度を検証するもので、ネットワーク機器ベンダーやセキュリティベンダーが提供している製品の比較検証も実施しています。
制御システムセキュリティ共同実験の環境(例)

現在、NTTコミュニケーションズでは、共同実証実験のパートナーを募集しているといいます。境野氏は「IoTセキュリティの仕組みは我々だけでは実現できません。セキュリティ機器やネットワーク機器などを製造している各ベンダー、そして実際に工場を日々運営している企業の方々と連携し、一緒にソリューションを作っていきたいと思っています」と語りました。
IoTでつながる工場やプラントの装置がサイバー攻撃を受けたり、誤操作をしたりすれば、製品の品質低下や操業停止といった被害を受ける可能性があるほか、最悪のケースでは人命に影響を及ぼすことも考えられます。IoTは大きなメリットのある技術ですが、一方でサイバー攻撃や運用ミスによるリスクも認識し、安全・品質・信用を守り企業価値を高めるためのセキュリティ対策に真摯に向き合うべきではないでしょうか。
共同実証実験のパートナー募集
NTTコミュニケーションズでは、IoTのセキュリティ対策を推進していく協業パートナー企業(ユーザー企業やベンダー企業)を募集しています。共同実験への参加などの問い合わせについては、以下よりご連絡をお願いいたします。
https://dm.ntt.com/jp_s2_20170519_cp
※掲載されている内容は公開日時点のものです。
※掲載されているサービスの名称、内容及び条件は、改善などのために予告なく変更することがあります。