2021.03.24
コロナ後に求められる「理想のオフィス」とは?第3回
働き方はコロナ前よりも“孤独”に。どう解決すべきか?
著者 株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC) 田中良憲
(2)個々人の発信を傾聴し、承認する力
ニューノーマル環境のワークスタイルは、それ以前と比較すると、孤独な働き方である。そのため個々人の状態に対して、上司や周りのメンバー・受ける側が確実にキャッチ・傾聴し、ストローク(反応)し、「承認」することが求められる。承認行為がない孤独な働き方は、従業員の貢献意欲、エンゲージメント“働きがい”の妨げになり、結果的に組織生産性の低下や、最悪ではリテンション(人材の維持・確保)に直接悪影響をもたらすことにもなりかねない。
承認は「存在承認」「行動承認」「結果承認」三つの段階とされるが、一般的には、わかりやすい「結果承認」が中心である。例えば予算・業績、組織ミッションなど、会社の評価軸・定めた基準でもって「出来た・出来なかった」承認する行為である。基準が明確なため、やりやすい。
しかし会社の仕事とは、明確な軸・基準でおさまらない、判断できないものがたくさんある。成果に向けた行動・行為・変化に対する承認「行動承認」、自分にとって相手がどういう存在なのかフィードバックする「存在承認」がより重要になってくる。
今、相手が見えないことから、この行動承認・存在承認が組織内で大きく欠落しつつある。非対面であるからこそ、より強く意識して相互承認することが、これからの職場で欠かせない。
ポイントは「I(アイ)メッセージ」。「私自身がどう思っているか、感じているか」率直に話すことである。何気ない「ありがとう」「名前を呼ぶ」という言葉を相手に投げかけるべきだろう。