2020年の新型コロナウイルスの流行を契機に、リモートワークを本格的に導入した企業や部署は多いでしょう。
ITアウトソーシングサービスを展開するトランスコスモス株式会社(以下、トランスコスモス)のデジタルエクスペリエンス本部(以下、DX本部)も、コロナ禍を機にリモートワークを本格的にスタートしました。緊急事態宣言後は全従業員がリモートワークに移行。同宣言が解除された現在も、多くの従業員が在宅勤務を継続しています。
しかし、多くの従業員がリモートワークに移行したことで、「雑談」のコミュニケーションがなくなり、いくつかの問題を抱えるようになったといいます。もちろんWeb会議で話はするものの、仕事中の軽い雑談がなくなったことで、ビジネスにおける新たなアイディアや付加価値を生み出すことが難しくなってしまったのです。
DX本部ではリモートワークにおける雑談を活性化するために、NTT Comの「NeWork™」(ニュワーク)というコミュニケーションツールを導入しました。このNeWork™を導入することで、DX本部のリモートワークはどのように変わったのでしょうか? DX本部の所年雄氏、齋藤勝重氏、宮園康太氏の3名に、NeWork™の導入でリモートワークがどのように変わったのか、話を聞きました。
【トランスコスモスについて】
1966年創業。デジタルマーケティングとEC、コンタクトセンターを統合した「DECサービス」や、バックオフィスおよび受発注といったノンコア業務を委託できる「ビジネスプロセスアウトソーシングサービス」など、売上拡大とコスト最適化を統合的に支援するサービスを提供している。
ビジネス面でもチームワークの観点でも、雑談は必要である
2020年1月、DX本部は、飯田橋に構えていたオフィスが手狭になったことから、渋谷の新たなオフィスに移転することを決定しました。
移転計画を進めている途中で、新型コロナウイルスの流行が発生。DX本部の全メンバーが在宅勤務で業務をすることになり、コロナ収束後も原則として在宅勤務となりました。
このような状況の中で、DX本部の所年雄氏は、新オフィスを「コミュニケーションの場所」として新たに位置付け、働き方も従来から変えていく方針を打ち出します。

トランスコスモス株式会社
執行役員
デジタルマーケティング・EC・
コンタクトセンター統括
デジタルエクスペリエンス本部 担当
所年雄氏
「それぞれが成果や目標をコミットし、仮に達成できなかったとしたら、反省して次に生かすサイクルを自分自身で回す努力をする、という働き方に変えていくことにしました。新オフィス開業後もリモートワークは継続し、オフィスは対面で重要なコミュニケーションを行う場とすることも決定しました」
しかし、リモートワークを今後も継続する中では、大きな不安があったといいます。それは、 Web会議でコミュニケーションをする際に“仕事の話しかしない”ということです。
「たとえば会議をする場合、Web会議は非常に効率的です。オフィスで行う会議は、だいたい30分から1時間程度だと思いますが、オンライン会議の場合、議題にはそこで語るべきことしか挙がらないため、たった15分で終わってしまうケースもあります。
このように無駄がないので、Web会議では仕事はどんどん回ります。しかしその一方で、仕事の本質しか語られないため、それ以外の雑談のような話はできなくなります。Web会議だけでは、これまでにない付加価値を生み出すとか、新たな発想を膨らませるといったことは、難しくなるのではと思うようになりました」

トランスコスモス株式会社
理事
デジタルマーケティング・EC・
コンタクトセンター統括
デジタルエクスペリエンス本部
副本部長
齋藤勝重氏
同本部の齋藤勝重氏は、チームワークの面でも雑談の必要性を指摘します。
「オンライン会議は、短時間で終わらせるために、余計なことを話さず、真面目な話だけをしがちです。もし私が会議中に厳しいことを言ったりすると、私に対する同僚のイメージがその会議の中だけになってしまい、『この人は怖い人なんだ』と固定されてしまいます。リモートワークでも同僚とうまく仕事を進めていくためにも、雑談も大事だとあらためて気づきました」