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“集まれない”入学式をライブ配信、公立中学校の挑戦に迫る
2020.10.02

「教育」をデジタルで変える第1回

“集まれない”入学式をライブ配信、公立中学校の挑戦に迫る

著者 Bizコンパス編集部

 2020年春、日本政府は新型コロナウイルス対策のために、緊急事態宣言を発表。これを受け、多くの学校では、感染拡大防止のため、休校を余儀なくされました。

 当然、卒業式や入学式といった、生徒や教師だけでなく、保護者や来賓も多く集まる学校行事も中止となるケースが相次ぎました。しかし一部の学校では、映像技術を活用し、学校行事を映像で配信するケースも見られました。

 世田谷区立弦巻中学校も、そうした学校のひとつです。同校は緊急事態宣言が解除された6月に新年度の入学式を行い、その様子をライブ配信しました。

 なぜ同校は“ライブ配信の入学式”を行ったのでしょうか?そして、実施したことでどのような効果があったのでしょうか?同校校長の加藤ユカ氏に話を聞きました。

【世田谷区立弦巻中学校について】

昭和30年創立された東京都世田谷区の公立中学校。地域の幼稚園・小学校・中学校が協働し、11年間の教育活動を行う『優郷の学び舎』の一校で、保護者や地域住民も学校運営に参画できる「地域運営学校」に指定されている。優心・優考・優健を教育目標に、「豊かな人間性」「豊かな知力」「健やかな身体・たくましい心」「ことばの力」を備えた、将来社会に貢献できる国際的な視野を持った生徒の育成を行っている。

コロナによって、教師と生徒が顔を合わせる機会がなくなってしまった

 弦巻中学校では、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、緊急事態宣言が発令されてから6月上旬まで、臨時休校となっていました。加藤氏はこのような状況であっても、生徒や保護者とのつながりを持ち続けたいと考え、映像を活用してコミュニケーションを取る方法を検討していました。

 「緊急事態宣言により、子どもたちと教師が顔を合わせることができなくなりました。生徒たちや保護者の方々に、どうにかして学校の様子を伝える方法は無いものかと検討した結果、映像を活用する方法を思いつきました」

 ちょうどその頃、世田谷区教育委員会からも、動画配信の提案があったといいます。しかし加藤氏は、撮影した動画を公開するだけでは、期待した効果は得られないのではと感じていました。

世田谷区立弦巻中学校
校長
加藤ユカ氏

 「学校は“生の感覚”が大事です。教師が生徒に、生徒が教師に話しかけ合う双方向のコミュニケーションが重要であり、それを実現するためには、録画済みの映像ではなく、“生”で教室や家をつなげるライブ配信が適していると考えました。

 動画をインターネット上にアーカイブとして公開すると、いくらセキュリティ対策を施していても、学校関係以外の方に見られる可能性があります。これらの理由から、単なる動画配信ではなく、ライブ配信という道を探ることにしました」

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