これまでのSmart CXの取り組みは個別の企業を対象としたものですが、福田氏は真の狙いは別のところにあると語ります。
「顧客データを蓄積したお客さま同士が企業連合となって互いに連携し、自分のお店に来たお客さまが次にどこの店舗を訪ねたのか、企業の枠を超えて消費者の行動を把握できるデータシェアのプラットフォームを実現したいと考えています。プラットフォーム上で共有されたデータをもとに、各企業は各々お客さまの嗜好を分析、これまで以上に具体的なペルソナを設定することが可能になります。
さらに、NTTグループにはNTTドコモのdポイント基盤がありますが、Smart CXのプラットフォーム上で取得を考えているデータと組み合わせることで、マーケティングにおいてより価値のあるデータを作り込み、生み出していきたいという狙いもあります。
NTTグループでは新たなビジネスモデルであるB2B2Xモデルへの転換を加速しています。Smart CXにおいてもそのビジネスモデルを実現したいと考えています」
そして、福田氏が描いている未来は街づくりにも及んでおり、Smart Worldの重点領域であるSmart Cityとの共創も志向しています。
「Smart Cityはインフラ整備など、いわば根本的な街の仕組みづくりを行っていますが、ここにSmart CXのプラットフォームやデータを上乗せできれば企業間の連携が加速し、データシェアの価値はもっと大きくなります。3年後、5年後を見据えて、真のB2B2Xモデルの実現を目指していく計画です」
ニューノーマルといわれる時代、新たな顧客との付き合い方を模索する企業は多いでしょう。NTT ComのSmart CXチームは、これまで培ってきた知見や技術を活かし、新しい顧客接点のあり方を提案していきます。マーケットインな提案を実現するために、CXデザイナーやデータサイエンティストといった人材を強化する一方、NTTグループ連携はもちろん、外部の企業・パートナーとの共創やアライアンスも積極的に活用する方針です。
「私たちは自社を前面に押し出すプラットフォーマーになるつもりはありません。あくまでも無色透明の存在でありたいと考えています。お客さま自身が顧客データをもとにブランドを打ち出し、顧客との深い関係を築いてもらうために、縁の下から技術で支える存在であり続けることが私たちの強みです。まずは顧客接点を把握するコンサルティングからはじめさせていただきたいと思いますので、お気軽にご相談ください。
『NTT Communications Digital Forum 2020』では、Smart CXの取り組みを、具体的な事例を交えてお話をさせていただく予定です。ニューノーマルの顧客接点を実感していただけるいい機会だと思いますので、ぜひ、オンラインの講演や展示もご覧ください」(福田氏)