コロナ禍により日本でもリモートワークの普及が急速に進みました。そのため「非対面でいかにこれまでのサービスを提供できるか」がビジネスの課題となっています。
そういった中、2020年3月に開業したJR山手線の高輪ゲートウェイ駅では、無人コンビニのような非対面でのサービスを実施しています。各国でも、様々な形で無人店舗型サービスが始まっていますが、中でも注目すべきが、深層学習などの画像解析系技術を背景とした米国Standard Cognition社の取り組みです。
同社では、無人店舗でのサービスを「いかにカメラ映像のみで解決するか」にチャレンジをしており、重量センサーなどを併用する他社の取り組みとの差別化を図っております。
例えば、カメラ映像で入店者の識別を行い、入店者それぞれが陳列棚で手にとった商品は映像での識別データと紐付けが行われ、退店時に精算が完了する流れなどです。この技術は、これまで困難だったカメラ映像による商品の検出、識別、トラッキング、映像上で重なりがある場合での人の識別に関して、最新の画像解析技術を組み合わせる形で実現しています。技術の詳細は明らかにされていませんが、物体検出、物体識別、人の姿勢推定などの画像解析技術をうまく適用していることが、過去のデモビデオやイベント講演などから読み取れます。
万引き防止の機能も備わっており、怪しい行動(シャツの中に商品を入れるなど)はチェックされているようです。同時にプライバシーへの配慮も強く意識されており、同社はこの技術によって、顔認識や生体認証は行わないことを明言しています。

画像解析系技術を背景とした米国Standard Cognition社の取り組み
同社は技術力や企業姿勢が評価され、日本では大手卸業者PALTAC社との提携などにもつながっています。このような最新のAI技術を活用した無人店舗により、新型コロナウイルスとの共存が必要となる社会においても、安全にショッピングを楽しむこともできるようになると考えられます。