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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.02.12

INDUSTRY REVIEW~業界有識者が「DXの現在と未来」を語る第9回

製造業がDXで生き残る道とは?八子知礼氏とエバンジェリストが対談

著者 Bizコンパス編集部

工場をシェアするのが、当たり前の時代が来る

林:最後に、製造業におけるDXの未来像について、八子さんの予想を聞かせていただけますか。

八子:国内においては、今後は需要がぐっと減ってしまうと思います。一方で、ニーズは多様化するはずです。いわゆる「多品種少量生産」をせざるをえない時代が訪れるでしょう。たくさん作っても売れないため、引き合いに応じてオンデマンドで作る形になっていきます。そうすると「工場も必要な時にだけ動かす」あるいは「複数の企業で工場をシェアする」といった考え方も出始めると思います。そうした時代を見据え、いかに柔軟な生産能力を持っておくことができるのかが重要になります。

 しかし、柔軟な生産能力を人だけで管理するのはすごく難しいことです。だからこそ、IoTやAI、ロボットなどを組み合わせて、柔軟な生産を担保することが必要になるでしょう。

 将来を見据えてスマートファクトリー化にどう取り組めばいいのかは、一筋縄ではいきません。数年後にいきなりオンデマンド生産を実現することも現実的ではありません。やはり地道にデータ収集から始めて、その後IoTに取り組み、そして遠隔で操作できるようにして、さらに予測や自動化に進んでいく。そういった中長期的なロードマップを作成して取り組んでいく必要があります。

林:サプライチェーンのあり方が今後変わってくると、新しい製造業が参入する余地が生まれてくると考えています。そのため、プロセスを省略するなど、製造業としてのこれからの取り組みが問われる流れになっていると感じます。

八子:もはやサプライ“チェーン”ではなく、サプライ“ウェブ”という言葉が最近になって聞かれるようになりました。製造に関わる企業が網の目のように広がって、前後が関係ない形でつながり、なおかつ情報がリアルタイムに伝搬する。そういった仕組みを実現する上でも、DXの取り組みによってデータが結び付いていないと難しいでしょう。

林:そうですね。デジタルマッチングプラットフォームで、必要なときに取引先をマッチングしながら製造していき、サプライチェーンでモノを前後に流すのではなく、変化に応じてほかの企業と連携していく。そういった流れのほうが効率的ではないかと感じています。それによって柔軟性が生まれれば、製造業も変わってくるのではないでしょうか。

八子:最近、そういったマッチングプラットフォームが増えていますよね。さまざまな企業がそうしたプラットフォームを利用し、新しいビジネスや新しい取引先とつながっていく、そういった形になる可能性は十分に考えられるでしょう。

林:いずれにせよ中長期的なロードマップで取り組んでいくことが必要ですね。日本の製造業はさまざまな課題がありながらも、試行錯誤してDXを前進させている企業もあり、変革の伸びシロを秘めていることがよく分かりました。本日はありがとうございました。

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