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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.02.12

INDUSTRY REVIEW~業界有識者が「DXの現在と未来」を語る第9回

製造業がDXで生き残る道とは?八子知礼氏とエバンジェリストが対談

著者 Bizコンパス編集部

自動車メーカーだけが自動車を作る時代は終わった

林:外部のマーケットが非常に早く変化していて、それを自分たちでキャッチアップできていないのであれば、変化に追従している外部の人たちとタッグを組んでやっていくことも視野に入れるべきと思いますが、いかがでしょうか。

八子:そう思います。外部の人たちと一緒にDXを進めると、デジタルを活用することで異業種から容易に参入されてしまうといった脅威も身近に感じられるようにもなると思います。

 たとえば、中国のEV(電気自動車)開発ベンチャーBYTONは、自動車作りのノウハウを持っていなかったにもかかわらず、わずか2年でゼロからEVを作ってしまいました。ソニーも1年8カ月でEVを作りました。自動運転車のプラットフォームを開発するスタートアップ企業Canooも、1年半ほどで車台の部分を開発しています。

 その裏には、設計などのデジタル化や、社外とのコラボレーションがあります。EV開発においては、設計・デザインを3Dシミュレーションによって大幅に効率化したり、そのノウハウが自動車業界向けのパッケージとしてクラウドで提供されています。

 また、製造のEMS(電子機器の受託生産)も進んでおり、たとえばTier1(メーカーに直接納入する一次サプライヤー)の下にある組み立て工場がEMSとして機能しているうえ、大手自動車部品メーカーも勢いがあって市場を開拓する余地のある企業に部品を供給しようと取り組みを進めています。これらによって異業種からでも2年程度でビジネスに参入できているのです。

林:こういったメーカーの自動車が普及すると、日本の自動車産業は大きなダメージを受けることになりますね。

八子:国内だと自動車のサプライチェーンにかかわる企業がものすごくたくさんあって、その中でもエンジンのシリンダーブロックや吸排気系にかかる金属加工業の会社は多いです。しかし電気自動車になると、そうした部品は必要なくなるわけです。

林:とはいえ、危機感を持っても、どう対策するのかを見出すのは難しいのではないでしょうか。サプライチェーンが大きすぎて、変えていくことも容易ではないという悩みもありそうです。

八子:だからこそ、仕事のやり方を変えていく必要があるわけです。紙のやり取りをデジタル化するといった身近なことからでも、それを実施することで人の手が空けば、新規事業に割り当てることができます。その一連のサイクルを地道に回していくしかありません。

林:最近私は「ダイナミック・ケイパビリティ」というキーワードを使っています。これは、ダイナミックに環境が変化していく中で、自分たちのやり方を柔軟に変えていけるケイパビリティ(強み)を高めていく意味で、そのための手段としてデジタルがあるということです。それにより、スピード感を持って変革していくというアプローチはすごく重要だと感じています。

八子:そういったこともあり、我々INDUSTRIAL-Xでは、“変化し続ける”意思を持った企業に対して、DXに必要なすべてのリソースをサブスクリプションのサービスとして提供(Resource as a Service)するというコンセプトを掲げてビジネス推進しています。

 「Resource Cloud」というサービスでは、DX推進するための戦略、ビジネスモデル、人、モノ、カネ、情報、セキュリティなど、ソリューションやサービスをオンラインからワンストップで調達・手配できます。その時に必要なDXソリューションや機器、施工やコンサルティングの依頼などを、初期費用を抑制して月額のサブスクリプションで調達・手配できるようにすることで、企業がより柔軟にDXへの取り組みをできるよう支援をしています。

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