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Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2020.03.18

INDUSTRY REVIEW~業界有識者が「DXの現在と未来」を語る第4回

「熟練の技を学ばないと、AIはどんどん馬鹿になる」中京大・輿水名誉教授

著者 Bizコンパス編集部

現場のノウハウを学習しないと、AIは馬鹿になる

――テクノロジーを実用化するためには、現場のノウハウをいかに正確にデータ化できるかがポイントになるのですね。

輿水:その通りです。AIを使って製造現場のタスク処理を実現するのであれば、もっと徹底的にアナログにこだわるべきです。開発者は現場に入って、現場で起きている現象を一緒になって捉えなければいけません。

 現場で培われた勘や経験といったノウハウを、数値化することは難しいものです。しかし、そこにはエネルギーを注がなければいけません。もし、AIに数量が不十分で低品質なデータを機械学習させると、未知のデータに対応できなくなり、判定精度はどんどん低下する過学習や汎化能力の喪失が起こます。我々は、これを「ディープラーニングの水増し問題」と呼びますが、開発には深刻な問題となります。

 AI技術全般に視点を広げて考えると、アメリカにCVPR(Computer Vision and Pattern Recognition)という画像AI関連の学会があり、優れた論文がいくつも発表されています。そこで発表された内容にキャッチアップできるような人たちが、AI研究者の中では「すごい」と言われているわけです。しかし、それが現場の感覚からかけ離れたものであれば実用性がない。経営陣や研究者だけで頭でっかちなものを作っていてはいけません。現場の知恵をどう本気で取り込むか、それが技術開発の根本ですから。

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