NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.03.31

これからの時代に求められるデータ利活用第9回

勘と経験だけではもう通用しない。スポーツ界のデータ分析最前線

著者 Bizコンパス編集部

 近年、スポーツの領域では積極的にデータを取得し、AIなどを活用して分析する取り組みが広まっています。

 これまでスポーツ選手の育成や、試合での戦術や戦略の指針は、指導者の経験や勘によるものがほとんどでした。しかし、試合や練習で膨大なデータを取得・分析できるようになったことで、効率的でケガをしにくい練習方法の実現や、試合での戦略・戦術の精度を高めるといったことが可能になりつつあります。

 このスポーツにおけるデータ分析について、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)のコミュニケーションプラットフォーム「Fesaas」において、オンラインセミナー「スポーツの未来を創るデータ分析の最前線」が開催されました。

 本セミナーには、スポーツを含むさまざまな社会課題をAIで解決する株式会社エクサウィザーズの石山洸氏、そしてBMXフリースタイルで活躍する中村輪夢選手をデータ分析の面からサポートするウイングアーク 1st株式会社の渡部覚氏が登壇しました。

※本記事は、SaaS企業のグロースやビジネス拡大につながる機会や情報を提供するNTT Comコミュニケーションプラットフォーム「Fesaas」が2月18日に主催したオンラインセミナー「スポーツの未来を創るデータ分析の最前線」の内容を元に構成しています。

AIの登場が可能にした非構造化データの分析

司会者 石山様はさまざまな業界でAIを用いた活動を推進されているとのことですが、スポーツに関する取り組みとしてはどういったものがありますか。

株式会社エクサウィザーズ
代表取締役社長
石山 洸氏

石山 AIで分析するデータの種類は、構造化データと非構造化データの2種類に分けられます。構造化データは野球における「ヒット」や「フォアボール」といったデータです。こうした構造化データの分析は以前から行われており、有名なところで言えばセイバーメトリクス(選手の評価や戦略を検討する際に用いられる分析手法)があります。

 一方、非構造化データは動画や画像といったものが相当します。AIのディープラーニング技術が飛躍的に進化したことで、非構造化データを分析することが可能になり、スポーツの領域においても活用が広まっています。

 他には、メンタルデータの分析です。たとえばゴルフ選手は、スコアが落ちてくると気持ちが消沈するため首が下に傾きやすく、それによってスイングの軌道がずれてしまう場合があります。しかし、メンタルが回復すると、姿勢が元に戻り正しいスイングで打てるようになるという話があります。このような、フィジカルとメンタルの関係性についての分析も進められています。

司会者 渡部さんが所属するウイングアーク1st株式会社では、BMXフリースタイルで活躍する中村輪夢選手の活動を支援していて、BMXフリースタイル専用パークもオープンしたと伺いました。そこでは、どのようなデータを収集しているのでしょうか。

ウイングアーク1st株式会社
Cloud事業部
Customer Experience統括部
統括部長
渡部 覚氏

渡部 当初、我々は中村選手が出場している大会に赴き、動画を撮ってデータを分析しようとしました。しかし、大会によってコースやジャンプ台の数、形状などが異なるため、データを取得しても分析の対象にはなりそうにありませんでした。そこで、いつも決まった場所で練習してもらうことで、正しくデータが取得できるのではないか考え、専用のパークを作ったという背景があります。

 このパークでは動画が24時間365日ずっと撮影されていて、中村選手自身が自分の走りをいつでも見返せるようになっています。また、高精度のリアルタイム位置測位システムである「Quuppa」を利用し、中村選手がどの軌道、どれくらいのスピードで走ったときに最もよいトリックができるのかといったことをデータとして蓄積できれば、彼自身の振り返りもより質の高いものになると考えています。

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