NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2020.11.20

これからの時代に求められるデータ利活用第7回

DX部門を立ち上げたらどうなるのか?実際の企業に見る、DXの理想と現実

著者 亀井聡

組織を作ることで「ルールを作る側」に回れる

 話をデータドリブンマネジメント推進部門に戻します。同部門が立ち上がる時に、社内では「(1)データのガバナンスを司る機能が存在しない」「(2)データ分析や蓄積のための基盤が散在している」「(3)データ活用可能な人材が散在している」という3点が課題とされていました。

 これを受けて新組織では、少なくとも自社のためのデータ分析は新組織で一元的に取り扱う、ということを宣言し、組織のミッションとしました。“組織ができたからといって、DXが劇的に進むわけではない”と懸念する声も耳にしましたが、看板を一本化したことによって、大きく前進できた点も多々ありました。

 最も大きな部分は、ルールを“変える側”に回れた点です。これまではデータを取得する時の大きな壁として、データを持つシステム部に相談しに行っても、「データの持ち主の許可を取ってくれないと、データは渡せない」と言われ、“じゃぁ、データの持ち主って誰?”と、途方に暮れることもありました。たとえばデータの持ち主が複数人にまたがっている場合や、そもそも持ち主が明確ではないケースも多く、ここを明らかにする作業だけで、かなりの消耗を強いられていました。

 さらに、セキュリティをクリアするための手順が煩雑な場合や、制御網に送信できるデータ容量に制限があるなど、データを運ぶためのネットワークも貧弱でした。もちろん弊社が通信事業者であるため、個人情報保護や通信の秘密への配慮が大きいという事情もあります。

 それが、新組織になったことで「原則データは集める、集める時に個別の許可は必要としない」「データを集めるためのネットワークを定義してその運用ポリシーは当部門で定める」というルールを定めることに成功しました。これまでの苦労を知っている人達にとっては、画期的なデータ活用に向けた進歩だと感じています。

 このほかにも、人材育成のハブ機能を担うことで、採用部門との連携が密になったことや、幹部説明の頻度が増えたことによって、他の案件で「なんでデジタル改革推進部がこの案件に携わっていないんだっけ?」といった疑問を幹部が提言してくれるようになったことも、大きな進歩と感じています。

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