企業にとって競争力を維持・向上するためにはDXが重要であり、DXに向けて舵を切る際には、データ活用とデータレイクが鍵になります。
前回 ではこうしたDXに必要な要素について紹介しました。今回はこれらの実際の適用例として、私が所属するNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)において、DX組織である「デジタル改革推進部」とその中のデータサイエンティスト集団「データドリブンマネジメント推進部門」がどのように立ち上がったのかという経緯と、実際に運用することでわかったDXの“理想と現実”について紹介します。
目次
なぜわざわざDXの組織を立ち上げたのか?
DX組織の立ち上げ方には、既存の情報システム部門を軸とするものや、事業部門の横断プロジェクトとするもの、研究開発部門やサポートSE部門を軸とするもの、社長直轄で外部登用を中心とするものなど、様々なアプローチが考えられます。
NTT Comの場合は、大量データを取り扱っている組織が、情報システム部門、R&D部門、オペレーション部門などに分散していたため、システム部門を軸に、R&D部門と経営企画部でオペレーションの戦略を担っていた部隊を統合することで、新たに「デジタル改革推進部」という組織が生まれました。
つまり、全体の事業再編に合わせて、DX組織が発足されることになったということです。DX組織の発足に合わせて、全体が再編されたというわけではありません。
しかし、プレスリリース の中でも『全社Center of Excellence (CoE)として、データサイエンティストを結集し、自らのDXを進め、プロセス自動化やデータドリブン経営の推進を目的とした「デジタル改革推進部」を新設します』と言及されているように、デジタル改革推進部はDXを推進するための重要なポジションとして位置付けられています。
デジタル改革推進部という組織は、「DX戦略部門」「情報システム部門」「データドリブンマネジメント推進部門」の3部門で構成されます。私はデータドリブンマネジメント推進部門に携わることになりました。