NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.05.28

これからの時代に求められるデータ利活用第10回

AIが営業のネクストアクションを示唆! 〇〇〇で営業の生産性向上を目指す

著者 Bizコンパス編集部

営業マンの8割が有効なツールと判断。その内容とは

 NTT Comは2019年からentomo社のツールを利用した営業アドバイザーのトライアルをスタートしました。このトライアルでは、ネクストアクションを示唆するインサイトを20~30個ほど作成し、それぞれの営業スタッフやマネージャーに向けて提示するという検証が行われました。

 しかし、営業アドバイザーの導入にあたっては、SFA(営業支援システム)ならではの苦労もあったといいます。

 「一般的に新たなセールスツールの導入は、営業スタッフからすると『面倒な作業が増えた』などと受け止められることが多いものです。慣れないツールの使い方を習得しなくてはいけませんし、その使い勝手が良くないとデータの投入もされなくなります。データを投入してくれていても、更新頻度が低いとタイムリーな提案には活用できません。

 そのため検証にあたっては、データが投入されないと次のフローに進めない仕様にするとともに、データを投入しやすいようチャットボットから会話調で投入できるなどUIも工夫をしました。

 データを投入することで、営業活動にどんなメリットがあるのかも明確にし、マネージャー層がそれらのデータに対してポジティブなコメントをするなど、トップからの戦略的なメッセージ発信も行いました」(徳田氏)

 中でも、営業活動のメリットとして意識的に訴求したのがパーソナライズされたインサイトの提供だといいます。

 「インサイトの内容は、受注予定日が近づいているのにアクションが起こせていない案件や行き詰まりが疑われる案件があったときに、営業スタッフごとにパーソナライズされたメッセージを発信し、アクションを促したり、マネージャーにケアを依頼するといったものです。こうしたインサイトが役に立ったかどうか、それぞれの営業スタッフにアンケートを取り、有用性を確認しました」

 徳田氏は、このトライアルにおいて、自社のハイパフォーマー人材の知見を活かせるようにしたと説明します。

 「あるインサイトでは、新しい商談があったときに、『同様の商談を受注している人のアドバイスを受けてください』といったメッセージによって、ハイパフォーマーと呼ばれる人たちへ、どのように提案したのか、なぜ受注できたのかといったことを相談することを促しています。相談できる人が誰なのかわからない場合は、それもサポートできるようにツールをカスタマイズしました。

 また、NTT Comが持っている自然言語処理技術(テキスト分析)と組み合わせ、お客さまからのヘルプデスクへの問い合わせ内容をAIで自動要約し、担当する営業スタッフにも共有するようにしました。そうすることで、サービスに対するお客さまの不安を担当営業が即座にキャッチし、ケアのアクションを取れるようにしています。

 その他にも、クロスセルの機会を察知して追加提案を推奨したり、失注しそうな商談へのアラートを出して確度が上がるような行動を促すなど、“ハイパフォーマー”が自然と取っているアクションを全ての営業スタッフが取れるよう、ツールの機能をカスタマイズしています」

 こうしたインサイトを約300人の営業スタッフに提供。約9割のスタッフがログインし、全体の3割は継続的にアクセスしていました。アンケートでも好意的な意見が多く寄せられたといいます。

 「インサイトの内容によって揺れはありましたが、8割以上の人たちが『このツールは有効だ』と回答してくれました。今回のトライアルで多くの人が前向きに捉えてくれたことでプロジェクトが大きく前進したと感じています」

 なおアンケートで寄せられた現場のリアルな声は、ツールのさらなるバージョンアップに活かされていくといいます。

・リマインドとして役に立っている。具体的な案件創出にまでは至っていないが、きっかけを見つけて案件拡大などに役立てたい
・見える化することで、失念や遅れの回避につながる
・予実管理の更新が必要な案件を可視化できるのはありがたい
・幹部への進捗レポートの作成に役立つ
・前週との差分をひと目で見ることができれば、メンバーとネクストアクションに関する会話がしやすい
・担当顧客の人事異動情報などがあればうれしい
・情報量が多いと埋もれる可能性は確かにあるが、まず気付きが必要だと考えるので、出すことができるアラートはすべて出すべきだと思う

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