NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.06.18

共創によるビジネスイノベーション第9回

未来の食を守り抜く食産業のDX、拡大中!ワールドピーコム×NTT Comから広がる共創の輪

著者 Bizコンパス編集部

1社では解決できない。だから選んだ共創の道

 「実は以前から、堀口社長にはそうした外食産業の本質的な課題を伺っていて、『日本の食を変えていこう』と誘われるとともに、ディスカッションを続けていました」(藤澤真理奈/NTTコミュニケーションズ)

藤澤 真理奈 NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部|共創DXビジネス創出を担うDX LanderとしてDX案件の新規創出・収益拡大に従事。コンサルタント経験を活かし、顧客の経営課題や業界課題に着眼し、主に小売業界・流通業界・飲食業界向け共創DXに取り組む。

 ワールドピーコムとNTTコミュニケーションズとの出会いは4年前。コロワイドが積極的にM&Aで飲食ブランドを増やしていたタイミングの頃でした。多様な業態をもつ巨大な店舗網が生まれましたが、会社が違っていただけに、各チェーンの会計や顧客データなど基幹システムはバラバラ。この絡んだネットワークを解きほぐして、最適な流れを生み出す。そのミッションをNTTコミュニケーションズが担い、形にしたことから関係が始まったのです。

 「また担当者の方々が、良い意味でNTTグループに抱いていたイメージと違い、固いタイプが多いと思ったらやわらかくて(笑)。議論をふっかけると、おもしろがって乗ってくれます。そんな関係性もあり、私の方からもいろんな場面で意見を求めるようになっていきました」(堀口さん/ワールドピーコム)

 こうして共創への助走がゆるやかにスタート。前述のように、堀口さんは外食産業が今抱えている課題や、5年〜10年後には出くわすであろうハードルを超えるための仕組み、未来に向けたアイデアの芽を手書きして、清水邦彦をはじめNTTコミュニケーションズの営業担当に提示していたといいます。

 「一枚の手書きメモからはじまって、2時間くらい議論する。そんなことが日常茶飯事でした。僕は一時、ワールドピーコムに週5日通い、自分の席があったほどです(笑)」(清水邦彦/NTTコミュニケーションズ)

清水 邦彦 NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 第四ビジネスソリューション部|アカウント営業として長期に渡って外食産業のお客様を担当し、その業界に精通している。個社課題のみならず業界課題を視野に入れた課題解決型の提案活動を行っている。

 議論の中から生まれ、形になったのが、来店客のスマートフォンでQRアプリを読み取るだけでメニューのオーダーができる「モバイルオーダーシステム」です。特徴は、アプリのインストールやアカウント作成などの手間がなく、簡単に使えること。店に設置された従来型の端末を触れる必要がないことは、コロナ禍において極めて大きいメリットとなります。

 「『モバイルオーダーシステム』では、省力化を実現しながら非接触でオーダーができます。自分自身のスマートフォンで料理を注文することができれば、新型コロナウイルスの感染リスクが極めて低くなります。しかも店舗へハードの設置が必要ない分、導入のコストも低いです」(藤澤さん/NTTコミュニケーションズ)

ワールドピーコムとNTTコミュニケーションズで開発した「モバイルオーダーシステム」。2020年9月にプレリリース版の提供を開始。

 実現の裏には、数多のデータベースを簡便かつスピーディに連携できるNTTコミュニケーションズのAPIサービス「API Gateway Service」(APIGW)と、ワールドピーコムが「メニウくん」で培ってきた店舗オペレーションや、厨房管理などと連携した高度なPOSデータの活用ノウハウの組み合わせがあります。

 「『モバイルオーダーシステム』を使えば、店の端末でも、店舗スタッフのハンディでも、お客様のスマートフォンでも、簡単にPOSデータと連携できます。データを統合することで、無駄のない注文、無駄のないオペレーションを可能にできます」(清水/NTTコミュニケーションズ)

 こうしてあらゆるデータベースと連携することができれば、食材を生産する農業の現場や食品を加工する製造工場、物流過程などともデータ連携が容易に。食べられる量を適切に製造・流通させるための、ダイナミックな食の生産ラインを生み出すこともできるようになります。さらに、消費者のデータから嗜好や行動まで汲みとってパーソナライズできるようになれば、一人ひとりに適した、豊かな食の体験を提供できる未来も見えてきます。「モバイルオーダーシステム」は、これから描いていく壮大なプロジェクトの一端に過ぎません。

 「グルメ評価サイトに集客を頼り、コストパフォーマンスの良さに振り切ったメニューを置いて、効率化の名のもとにお客さんに負荷をあたえる。そうしたこれまでの外食業界の、いわば押し付けをはぎとって、もっと自由なユーザーフレンドリーな食の設計ができるようになる。最初に言った“新しい外食の価値”を創造できる。そう信じています」(堀口さん/ワールドピーコム)

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