NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

DXの潮流、CDOの挑戦
2021.06.18

共創によるビジネスイノベーション第9回

未来の食を守り抜く食産業のDX、拡大中!ワールドピーコム×NTT Comから広がる共創の輪

著者 Bizコンパス編集部

 コロナ禍で最も大きな打撃を受けた業界の一つ、外食産業。会食の制限と営業時間短縮の要請で多くの店の売上が減少し、残念ながら看板を下げざるをえない店も数多ありました。

 もっとも、フードテックの力で外食産業をサポートするワールドピーコム代表取締役・堀口正人さんは「この状況はたいへんな危機であると同時に“機会”でもある」と言います。その鍵の一つにもなるのが、同社とNTTコミュニケーションズの共創ビジネスにあります。両社の共創がどのように立ち上がり、どんな未来を描こうとしているのか、キーパーソン3名が語ります。

食産業をめぐるコロナ禍以前からの課題とは

 約28兆円もの市場規模を持つ外食産業。しかし、この数字が年々下がり続けていることをご存知でしょうか? 「コロナ以前から業界には大きな課題がありましたからね」と言うのは、ワールドピーコムの代表取締役社長・堀口正人さんです。

 課題の最たるものが「慢性的な人手不足」。少子高齢化で、飲食店を支えるスタッフ人材不足は慢性的です。人件費が高騰し、店舗運営を大きく圧迫させる一方、長引くデフレで消費者が「安さ」を求める風潮が根づいています。飲食店はこの厳しい板挟みにたえる必要がありました。そして、こうした外食業界の課題をDXによって解決してきたのが、堀口さん率いるワールドピーコムでした。

 同社は、外食大手コロワイドグループのIT戦略を担う企業。「かっぱ寿司」や「ステーキ宮」、「牛角」など同グループが展開する飲食店ブランドのシステム構築・運営などを担いつつ、タッチパネル式セルフオーダーシステム「メニウくん」を開発・運営。この飲食店の省力化ツールは、グループの枠を超えて多くの飲食店に採用され、トップシェアの地位を確立するほどです。

 「加えて予約コールセンターや自動受付案内、厨房システムなど一貫して飲食店の省力化につながるソリューションを提供。人手不足によるコスト削減の課題をクリアするお手伝いをしてきた自負はあります。ただ……コロナ禍で状況は様変わりしました」(堀口さん/ワールドピーコム)

堀口 正人 ワールドピーコム株式会社 代表取締役社長|セルフオーダーシステム及び、周辺機器の企画、製造、販売や、ITシステムの企画、運用、保守、またコールセンター事業を行う。業界シェアNo.1「メニウくん」は3,600店舗に10万台を導入。コンセプトは『食で日本を元気にする!』

 緊急事態宣言で会食は制限され、時短営業がデフォルトに。消費者は外食を控え、デリバリーや中食、自炊で食事をする機会を増やしました。会食のない寂しさを感じる人がいる一方で、「外食しなくても問題ない」「自炊のほうが安くて気楽だ」という意見も多く聞こえてきます。

 「ようは省力化だけの話ではなくなった。むしろ、あらためて外食の“価値”を問われるようになったんです。外食がない生活に慣れてしまうと、自炊のアウトソースとしての外食の価値はうんと低くなりましたから。しかしこの状況は、5年先、10年先に来るはずだった未来が早まって訪れただけとも言えます」(堀口さん/ワールドピーコム)

 人口減少は確実で、人手不足のみならず消費者が減る一方なのは火を見るより明らか。人口に対して店が多くて、供給過多な状況が生まれていました。また、若い世代を中心にお酒を飲まないライフスタイルも、接待や会食はそもそも減少傾向にあったからです。

 「加えて言うならば、『外食』から『外』を取り、『食産業』として考えると、さらに大きな社会課題も見えていました」(堀口さん/ワールドピーコム)

 “食”に幅を広げれば、日本は年間約643万トンもの食料を廃棄しているフードロス大国。食べることなく捨てている食糧は、国連から途上国への食糧支援量の約1.7倍(※)にあたり、問題視されていました。また食料自給率はカロリーベースで38%と、世界的に見ると極めて低い状況です。日本は人口減少の一途を辿っていますが、世界の人口は増え続けているため、現在輸入で賄えている食糧は、将来的に高騰することも十分予見されています。

 「食に関しては、いまだ生産から消費者のもとへ届けるまで最適な流れができていない状況にあります。そのため、食材も飲食店のオペレーションも、どこに何がどれくらい足りないのか、あるいは十分なのか、改善のためにどうすべきなのか、誰も把握できていませんでした」(堀口さん/ワールドピーコム)

 だからこそ、データを横串として通し、最適な流れを生み出す。それこそがワールドピーコムとNTTコミュニケーションズの共創の目的となったのです。

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