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DXの潮流、CDOの挑戦
2021.06.04

共創によるビジネスイノベーション第7回

なぜ日本の“強い現場力”が、DXの足かせになるのか?『Why Digital Matters? ー“なぜ”デジタルなのか』著書・村田聡一郎さんインタビュー

著者 Bizコンパス編集部

DXが進んでないからこその希望とは?

戸松:そんな中でもDXを効果的にすすめて結果を出されている日本企業もあると思います。村田さんが気になるDX成功企業はありますか?

村田:私が直接知っているSAPユーザー企業でいえば、トラスコ中山さんです。DX銘柄2020のグランプリも受賞されました。同社は製造業や建設業などものづくり現場向けのプロツール(製造副資材)を扱う卸売業なのですが、さまざまなDX施策を進めています。

 一例を挙げると「AI見積」。従来は取引先(小売業)からFaxやメール、電話で届いた見積依頼に対し、営業担当者が自分で手作業で見積を作成し、返信していました。取引先ごと・商品ごとに異なることもある仕切り率の適用をヒトが行うのですから、回答まで早くても30分、もし外回りに出ていれば半日ほどかかってしまうこともあるでしょう。ところがこのAI見積システムを活用すれば、早いと30秒ほどで回答が来ます。そうして回答が早くなった結果、受注率も上がりました。値段は変わっていないのに、です。取引先だって忙しいですから、すぐ回答が来たところに発注しようとなるのは人情ですよね。

戸松:半日が30秒。デジタルだからできることですよね。

村田:おっしゃるとおりです。卸業は「今後なくなる」と言われていた業態ですが、トラスコさんは数々のDX施策が取引先の支持をうけて業績は絶好調です。何より私自身もっとも印象的だと感じたのは、「働いている方々の表情が明るい」ことです。それはそうですよね、面倒な作業をシステムが自動的にやってくれれば、その分社員の皆さんはヒトがやるべき仕事に時間を投入できる。プライベートブランド商品の企画開発などにも力を入れ、こちらも成功しはじめています。

戸松:DXによって「社員の表情が明るくなる」というのはとても象徴的ですね。先ほど触れた、海外のヒトは「幸せの尺度が違う」話にも通じる部分がある気がします。DXが答えなのではなく、DXによって作業の一部をデジタルが肩代わりしてくれるので、ヒトは本来やるべきことに時間を使える。その先に幸せがあるべきというか。

村田:そうですよね。企業の業務には競争領域と非競争領域があって、SAPのようなパッケージソフトが存在する分野はすでに非競争領域なわけです。ですから、そこに貴重な人的リソースを割くのはもったいないんです。そこはSAPなりAIなどデジタルに任せ、もっとも優れたヒトの力は競争領域に割くほうがいい。

 日本は海外よりも全然デジタルを走らせていない。いわば「片手で戦っている」のに、これだけやれている。デジタルを走らせて、「両手」で競争領域を磨き始めれば、まだまだやり返せるということです。

 C4BASEでは現在、村田氏を招き6月3日に実施したイベント「C4BASE STUDIO LIVE Season2 A step toward Smart World Re-Confront ~いまさら聞けないDX」の見逃し配信を行っています。見逃し配信については、こちらにてご確認ください。

 さらに、ご視聴いただいた方向けに、6/16(金)13時30分から村田氏によるオンラインのカウンセリングセッションを開催します。アーカイブの事後アンケート回答にて、参加のご希望をお聞かせください。

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