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4,000億円の空白市場を開拓!ワークマン・土屋氏の「しない経営」とは
2021.01.29

共創によるビジネスイノベーション第5回

4,000億円の空白市場を開拓!ワークマン・土屋氏の「しない経営」とは

著者 Bizコンパス編集部

データを武器にトップダウンをボトムアップに切り替える

戸松 売っている製品は変わらないのに、プロの作業員とキャンプ愛好家やバイカーが見たときに違う意味や価値を感じて購入されたことがブレイクスルーとなり、「ワークマンプラス」の成功要因になっています。ところで、以前からそういった潜在的なニーズに気づいていた現場の社員もいたのではないでしょうか。

土屋 もちろん、気づいている社員はいたと思います。しかし、もともとワークマンの意思決定プロセスはトップダウンでした。現場にいる10年未満の中堅社員と本部にいる20年以上のベテラン社員では、作業服に関する知見やノウハウには天地の開きがありました。

 まず、下の意見が上に通ることはありません。これを変えるために取り組んだのがエクセルを活用したデータ経営です。私は入社してから人の育成に力を入れてきたと話しましたが、メインはエクセルの活用研修です。売上など根拠のしっかりしたデータを利用することで、立場に関係なく平等に議論できるボトムアップの意思決定を実現しました。

戸松 言いたくても言えなかった社員に与えた武器が、データだったわけですね。ところで、商社時代はご自身を中心に優秀な部下を数名使って、という仕事のスタンスだったと思うのですが、いまは真逆で「2-6-2の法則」(上位2割が優秀、中位6割が普通、下位2割が良くないという組織論)でいえば中位、下位の社員をしっかり鍛えるスタンスと著書にありました。社員には得意なことをやってもらう、それがなければ得意なことをつくってもらうとありましたが、その真意をお聞かせいただきますか。

土屋 いい仕事は社員が自発的にやりたいことに取り組むことで実現できます。上から命令されるとプレッシャーがかかり、仕事のモチベーションは上がりません。納期やノルマを設定しないのも社員の自発性を引き出すためには必要です。社員の自発性に任せたことで、エクセルを使って店舗の機会損失を発見するツールを独自に開発した社員が現れたり、仕事での必要性を感じた数名の社員がAI、Pythonの勉強を始めたりしています。あえて命令はせず、こうした自発的に動く社員の出現を待っていたのです。

戸松 いま土屋さんが考えられている、最も重要な目標は人材の育成なのですね。

土屋 そうですね。外から人を採らず、社員が育つまでじっくり待つ。人の限界が組織の限界であり、社員一人当たりの株式時価総額を見ています。ただし社員への押しつけはしない。あくまで自発性で伸びてもらうという姿勢は、今後もぶれないと思います。

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