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4,000億円の空白市場を開拓!ワークマン・土屋氏の「しない経営」とは
2021.01.29

共創によるビジネスイノベーション第5回

4,000億円の空白市場を開拓!ワークマン・土屋氏の「しない経営」とは

著者 Bizコンパス編集部

4,000億円のブルーオーシャンの見つけ方

戸松 もともとワークマンは、競争相手のいる市場にはいかない、粗利益の高い製品は扱わない、値引きはしない、海外進出はしないといった「しない経営」で成長してきました。それを土屋さんはさらに推し進めたとのことですが、どのような狙いがあったのでしょうか。

土屋 私が推進した「しない経営」には3つのポイントがあります。まず「社員のストレスになることはしない」。これは仕事に期限やノルマを設定せず、社員に頑張らせないことです。次に「ワークマンらしくないことはしない」。粗利を追うことや値引きをしないことに加えて、新製品を毎年販売する、顧客管理を行うといったアパレル業の戦略をまねしないことです。そして最後は「価値を生まない無駄なことはしない」。社内行事、経営幹部の出社を控え、店舗での対面接客、閉店後のレジ閉めもしないなどです。

戸松 余計なことをしないことで、見えてきたものはあったのでしょうか。

土屋 かつて私は多数の業務を抱え、短納期で回していました。振り返ると、よく働いていたなと思いますが、結局、いい結果にはつながりませんでした。そこでワークマンでは、達成したいミッションを「客層の拡大」に絞りました。そうするとうちの作業服がキャンプ愛好家やバイカーに利用されているといった声が聞こえくるのです。

 そこでプロの作業服から低価格な機能性ウェアへと事業ドメインを変え、まったく同じ製品の見せ方や表現を変えてアウトドア市場に打って出ました。もともと客層拡大の目標はあったのですが、特に先見性、計画性があったわけではありません。低価格と機能性の基軸だけは守りつつ、場当たり的に声のする方に進化した結果が「ワークマンプラス」の企画につながったのです。

戸松 長年、個人向けの作業服で成功していた社内からの反対意見はなかったのですか。それこそ、余計なことをしない経営方針の中で苦労されたのではないでしょうか。

土屋 幸運なことに個人向け作業服市場は飽和しかかっており、多くの社員が将来的な不安を持っていたのです。しかし作業服ばかりを40年近く深掘りし、愚直に続けていたため新事業への進出経験はゼロでした。一方で私は新事業の開拓しか経験がなかった。そこがうまくかみ合ったと思っています。

戸松 まさに早稲田大学の入山教授がおしゃっている「両利きの経営」ですね。土屋さんの「知の探索」と本来のワークマンが持っていた「知の深掘り」がマッチしたお手本のようなケースですね。

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