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4,000億円の空白市場を開拓!ワークマン・土屋氏の「しない経営」とは
2021.01.29

共創によるビジネスイノベーション第5回

4,000億円の空白市場を開拓!ワークマン・土屋氏の「しない経営」とは

著者 Bizコンパス編集部

 株式会社ワークマン(以下、ワークマン)専務取締役の土屋哲雄氏は、東京大学経済学部を卒業後、三井物産に入社。30年以上にわたる商社勤務では、数多くのニッチな市場を開拓してきた生粋のアイデアマンです。

 当時、世に出たばかりの日本語ワープロ専用機をヒントに中国語ワープロを中国市場に売り出してシェアナンバーワンを獲得。さらに家庭用レーザープリンタ市場に「細かい文字」を印字する唯一無二の製品を送り出して大ヒットさせ、ボウリング場のオンライン採点装置で大きな利益を得るなど、多くの実績をあげてきました。

 しかしそれらの業績は、大手商社の規模からすると小粒すぎるという理由から社内でそれほど高く評価されることはなかったといいます。「完全燃焼できない……」くすぶるような思いを胸に土屋氏は商社を退職後、ワークマンへの入社を決意します。同社で土屋氏が企画した新業態店「ワークマンプラス」はこれまでの作業着という枠を超えて、機能性ウェアとして女性にも大ヒット。およそ4,000億円のブルーオーシャンを開拓しました。

 このワークマン大躍進の仕掛け人が2月16日(火)に開催される「C4BASE」のイベント「ニューノーマル時代のデジタル共創戦略~社会にリ・アクションする共創のこれから~」に登壇。今回はその前哨戦として、「C4BASE」のマネージング・ディレクター戸松正剛氏との対談をお届けします。

 

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~社会にリ・アクションする共創のこれから~

株式会社ワークマン専務取締役 土屋哲雄氏を迎え、これからの世の中への対応(リ・アクション)とDXや共創という手段についてディスカッションしていきます。

【URL】
https://www.ntt.com/business/lp/mirai_biz/event/event_20210216.html

【開催予定日時】
2021年2月16日(火)13:00-15:00

一匹狼はリベンジの場を求めてワークマンへ

NTTコミュニケーションズ株式会社
C4BASE マネージング・ディレクター
戸松正剛氏

戸松 商社時代に数々のヒットを飛ばされてきた土屋さんですが、どのような働き方をされていたのでしょうか。おそらく、いまのワークマンとは大きく異なるスタイルだったのかと思いますが。

株式会社ワークマン
専務取締役
土屋哲雄氏

土屋 私の商社時代を一言で表すと「なんでもする系」です。おいしそうなもの、流行のものがあるとダボハゼのように食らいつき、軌道に乗ると飽きて吐き出す。ろくに引継ぎもせず部下にファイルを渡して、次の新しいことに飛びつくことの繰り返しでした。人に頼むくらいなら自分でやったほうが早いという、一匹狼のスタンスです。その結果、売上100億円、利益10億円のビジネスはつくれるのですが、それは大手商社から見れば“端数”のようなもの。もう一桁、上の数字を出さないと認められないのです。

戸松 市場を拡大する、さらに大きな市場に打って出るという選択肢はなかったのですか。

土屋 それがうまくいかないのです(笑)。ニッチなマーケットでの成功体験で気分をよくしても、大きな市場に出ると叩かれます。たとえば、極小の文字を印字できるプリンタという新市場を開拓した成功体験に乗って、20万円を切る家庭用レーザープリンタを売り出したのですが、たちまち大手メーカーに追随されて大失敗しました。愚直に小さな市場で勝負しても評価されないですし、そういう守りの性分でもなかったので定年近くまで“やらかし”を続けてしまいました。頑張ってきたものの、当時の会社にとっては“小さい事業をたくさんつくった”それだけの評価だったのです。

戸松 そんなときに、ワークマンからお呼びの声がかかるわけですね。

土屋 商社での反省を生かしてワークマンでは180度、真逆のこと、「なんでもする系」から「しない系」に切り変えてリターンマッチすると決意しました。還暦前にして、人生のリベンジです。それが2012年のこと。それ以来現在まで、一貫して人を育てることに注力しています。経営幹部やコンサルを外部から採らず、社内で育てる。社員の能力の限界が会社の限界になるという考えで、ひたすら人材の育成に励んでいます。

戸松 まさに一匹狼から、方針を真逆に転換したわけですか。

土屋 エレクトロニクス、コンサルティングなどが専門だった商社時代から、まったく違う作業服の世界に飛び込んだわけですから、最初は何もわかりません。「私の考えは100%正しい」という信念で突き進んだ過去を反省し、あえて「私の考えは50%間違っている」と公言し、社員の話に耳を傾け、力を借りるスタンスに切り替えました。そうすると自然に社員の声が集まってくるようになるのです。

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