Bizコンパス

情シスの仕事が変わる!最新トレンドはワークフローのデジタル化
2019.06.21

DXを加速させるITシステムの運用改革第6回

情シスの仕事が変わる!最新トレンドはワークフローのデジタル化

著者 Bizコンパス編集部

DXの第一歩は、「シンプル、簡単、 直感的な」ITプラットフォーム

 その後の3つの基調講演では、IT、従業員、カスタマーサービスの視点から「ワークフローのデジタル化」について、ServiceNow幹部やクライアントが登壇しプレゼンテーションされました。

「ITワークフロー」の講演では、従業員のIT変革には、ITプラットフォームのUI/UXがシンプルで、簡単で、 直感的であることの重要性が強調されました。

 国内でも企業の多くの情報システム担当を悩ませているのは、システムのサイロ化です。ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェアが独自の言語やデータベースによって構築されていることで、業務プロセスの最適化ができず、統一ルールによるガバナンスを効かせることもできません。

 この講演では、ヒトを中心としたビジネス環境構築の例として、ServiceNowのプラットフォームによって、分断された業務プロセスやタスクを全体最適化させるITSMの活用法を紹介。たとえば、システムの故障検知~原因の切り分け~復旧手順作成 ~復旧対処~復旧通知までのプロセスを、AI(学習アルゴリズム)を活用することによって自動化し、復旧時間の短縮とプロセスの標準化するなどのソリューションが紹介されました。

 AIの活用については、モバイルアプリの「Virtual Agent」と新バージョンのNew Yorkで提供される「Natural Language Understanding(自然言語理解)」「Dynamic Translation(動的翻訳)」を組み合わせた別講演のデモもありました。パスワードを忘れた従業員がiPhoneのSiriに話しかけてパスワードのリセットを依頼すると、Virtual Agentが従業員の顔認証を行い、瞬時にパスワードがリセットされるという使い方が紹介されていました。

現場課題を解決するコツは、顧客と従業員双方からのDX

「従業員ワークフロー」では、エンジニアや人事担当など従業員に扮したキャストがステージに登場し、新入社員が入社日に、名前や入社日の間違い、端末手配やID バッジの発行で担当組織間をたらい回しにされる寸劇で会場の笑いを誘いました。

部門間のサイロは、従業員の就業満足度低下につながる

 こういったありがちな課題は、HR(人事/総務)部門と、給与計算、人事管理などのITシステムが連携できないことによるものです。「このような部門間のサイロは、従業員に不便を強いています。部門を超えた積極的な協調が重要。HRとITが連携できない企業は、将来的に人材の確保や維持に苦労することになるでしょう」とメッセージが送られました。

 3つめの「カスタマーサービスのワークフロー」では「トラブルが発生してから対処を進める、従来の対応プロセスが顧客満足度を下げている」ことがテーマとなりました。ITワークフローと同様に、End to Endでプロセスの自動化や標準化の重要性を説くとともに、将来的にはトラブル解決の自動化によって、顧客がセルフサービスでトラブルを解決することの重要性が説かれました。顧客事例として、マネージド・ケアを提供するユナイテッドヘルス社が、顧客と病院をスマートフォンでつなぎ、病院への予約を可能にした仕組みについて紹介されました。これらを実現するために、サードパーティのアプリケーションを連携させる新たな機能などの紹介も行われました。

「モバイル」の活用は、これからのビジネスシーンにおいて作業の主流になるとも解説。遠くない未来に、オフィスはもちろん、カフェや自宅でもスマートフォンを使って、インシデントへの対応やサポートの依頼、必要な資材調達などができるようになるともいいます。

 このように、ServiceNowでは導入実績が増えたことで、ワークフローを改革する具体的なユースケースが日々蓄積され、進化を続けています。これからのIT運用が「ワークフローのデジタル化で、標準化、自動化が常識になる」といわれても、すぐにはピンとこないかもしれません。しかし、このITトレンドは欧米では数年前から拡大しており、日本にもすでに波及してきています。これから自社のIT運用改革に取り組むのであれば、ServiceNowの動向をウォッチしておくとよいでしょう。

【コラム】「Knowledge19」のハッカソンで日本人が初入賞

 Knowledgeの名物となっているのが、ServiceNowを使った新たなサービスやアイデアを競う「ハッカソン」です。Knowledgeの参加者であれば誰でもエントリーでき、約60チームの中からファイナリスト3チームが選抜され、最終プレゼンテーションを行います。今回は日本からNTTコミュニケーションズの若手社員、菅原奈緒美氏と髙橋賢人氏の2名が現地のアメリカ人エンジニアとの3人チームでエントリーしました。

 このチームはServiceNowとAmazon connectを組み合わせ、「耳が不自由な人でもコールセンターで働ける仕組み」を構築しました。音声とテキストの相互変換、会話の履歴をインシデントチケットに転記するデモサービスを開発し、これが社会的な貢献につながるソリューションとして評価され、日本人初となる「Social good winner」を受賞しました。

 メンバーのひとり髙橋賢人氏は、「世界トップレベルの開発者の技術力を間近に感じる貴重な体験ができました。日本人初受賞ということで、帰国後も日本のServiceNowユーザー会で登壇する機会を頂くなど、技術者としてのキャリアアップにつながりました」と振り返ります。

 

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