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インフラ試験の継続実行は、本当に必要なのか?
2021.07.02

DXを加速させるITシステムの運用改革第41回

インフラ試験の継続実行は、本当に必要なのか?

著者 飛岡良明

 情報システム部門がDXを推進していくために必要な「インフラ試験の自動化」は、どのように進めれば良いのか。先月の記事では、インフラ試験の自動化への挑戦と、筆者が考えるメリットを解説しましたが、その中で「インフラ試験の継続実行」についても言及しました。

 継続実行とは、同じ試験を何度でも、必要があれば毎日でも、継続的に実行をすることを意味しています。変化が激しいソフトウェアの世界で継続的なテストが、開発速度と品質改善の双方の観点からも重視されています。

 ソフトウェアと比較すると変更が少ないと思われるインフラ試験においても「試験の継続実行」が必要なのでしょうか。しっかり準備をした丁寧な手順書、検証結果があれば、毎回同じ結果が出ると考えられる検証を、継続的に実施する必要があるのでしょうか。今回はこちらに対する筆者の経験をもとに、考えを述べてみたいと思います。

試験を何度も行う必要はあるか?

 まずはシステム開発の現場におけるインフラ試験の自動化の必要性について触れます。前回も述べましたが、インフラ試験を実施するには時間も費用もかかるため、しっかりと準備をして「覚悟を決めた」試験を実施しているケースが多いでしょう。しかしその結果、試験を実施した後に、発生した問題に対して「対策が取れない」「取り組んだ対策への試験は簡易的な物となってしまっている」ということが起きたというケースもありませんでしょうか。

 筆者も、以下のような失敗を何度も経験しています。たとえば、試験完了後にセキュリティへの追加要望として、アクセスリストを一行追加したが、時間の関係上、インパクトを机上で検討し網羅的な試験を実施しなかった。結果、実システムの障害時に上手く冗長系へ切り替われずにサービスへの影響が出てしまった、といったことがありました。

 このほかにも、サービス開始前に非常に稀な条件で発生する問題を発見。修正方法も確立させた一方で、その修正を加えた後の網羅的な試験をする時間が取れなかったため、問題を修正することなくシステムを本番導入させたことがありました。結果、本番環境で障害が発生してしまったうえ、ユーザー利用開始後であるため、修正適用に大きく時間がかかってしまいました。

 これらの問題を解決するためにも、インフラの試験を継続的に、自動的に何度でも実施できる環境を作り、軽微と思われる修正であっても必要な試験を回す、試験期間が無いため修正を適用できないという問題を防ぐことは、非常に重要であると考えています。

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