Microsoft 365やGoogle Workspace などのSaaSには多くのメリットがある一方、通信量の増加によってネットワークの負荷が増大するなど、注意すべきポイントがあるのも事実です。
また社外にデータを保存することになるため、セキュリティ対策の強化も合わせて考える必要があるでしょう。
このような課題をどのように解決するべきか。NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)が開催したオンラインセミナー「企業のゼロトラストを実現するNTTコミュニケーションズのSASEソリューション 」に登壇した一二康紘氏の解説からひも解きます。
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SaaS利用で「ネットが重くなる」問題
Microsoft 365やGoogle Workspace、あるいはBoxなどのSaaSを利用する企業は増加し続けています。その背景の一つに、運用管理の負担を大幅に軽減できるというメリットがあります。SaaSであればハードウェア故障への対応やパッチの適用、バックアップなどの作業を自社で行う必要はなく、運用にかかるリソースを大幅に削減することが可能です。
もちろん、エンドユーザーにベネフィットを提供できることもポイントです。こうしたSaaSの多くは使い勝手に配慮されているうえ、モバイルアプリが提供されていることが当たり前になっており、外出先でも利用できます。またクラウドサービスであるため、社外とのコラボレーションに使えることも大きな利点といえます。
さまざまなメリットがあるSaaSですが、利用が拡大することによって新たな課題も生まれつつあります。その課題の一つとして、NTT Comの一二康紘氏が指摘したのはネットワーク帯域の問題です。
NTTコミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
ソリューションサービス部
一二康紘氏
「SaaSの利用が拡大したことで、インターネットに接続する回線、あるいはインターネットゲートウェイがあるセンターと拠点を接続するネットワークの帯域が不足し、通信速度の低下などの課題が生じるケースが少なくありません」
インターネット上で提供されているクラウドサービスを利用すれば、当然インターネット接続に利用しているセンター回線のトラフィックが増加し、輻輳や遅延が生じる可能性が高まります。インターネットゲートウェイで利用している、ファイアウォールやプロキシーがボトルネックになっているケースもあるでしょう。
また各拠点からのインターネット利用に、本社やデータセンターに構築したインターネットゲートウェイを利用している場合、拠点と本社・データセンターを接続するネットワーク回線が帯域不足に陥ることも考えられます。