業務横断的なデジタル変革、そして業務のモバイル化を実現するポイントとして、村瀬氏は役所や銀行とコンビニの窓口業務の違いを挙げます。
「役所や銀行に行くと、まずは複数の窓口から、自分の要件に合ったものを選択する必要があります。しかしコンビニでは、レジという1つの窓口ですべてが完結します。これこそが、企業の目指すべきモデルだと考えています」
コンビニの業務は、各種商品の販売から公共料金の支払い、宅配便の窓口、各種チケットの払い出しなど、多岐にわたります。それにも関わらず、コンビニの業務がシンプルにまとまっている秘密は、バーコードにトリガー(きっかけ)を統一したPOSの仕組みにあります。
「たとえば缶コーヒーをレジで購入すると、コーヒーの販売サービスに引き当てられる在庫が1つ減り、売り上げが立って、発注に回ります。あるいはガス料金の支払いがあれば、伝票が切られて、外部システムと連携し、ガスの事業会社に振り込みが行われます。End to Endのプロセスが、完全に整流化、自動化されているわけです」
コンビニのサービス業務モデル
村瀬氏は、コンビニがトリガーをバーコードで電子化・統一し、すべての処理を電子的に行い、後続の処理を自動実行し、必要に応じて社内外のサービスと連携するという一連の流れを、デジタル変革を支えるプラットフォームに必要な要素だと語ります。
「コンビニでは、企業における構成管理データベースやワークフローエンジン、外部システム連携、データインサイトのような機能が高度に連携する仕組みがすでに構築されているため、シンプルなサービスモデルが実現できます。だからこそ、すべての業務に精通しているとはいえない従業員でも窓口業務が回り、顧客は1つの窓口で便利なサービスが利用できるのです」
プラットフォームのメリット