このような役割をIT部門が果たしていくために、ITSMを効果的に回す仕組みが「ITSMS」です。
「ITILのベストプラクティスを参考にしてITSMSを構築・運用することで、ITサービスの見える化、コミュニケーション強化、ナレッジシェア促進、前向きな目標管理、ITサービスごとのコスト最適化、サービス品質の維持・向上といったメリットが得られます」(塩田氏)
その成果として、IT部門は効率的かつ効果的に、より高品質なITサービスを提供できるようになると塩田氏は話します。
「ITサービスマネジメントには“4つのP”という考え方があります。人(People)、プロセス(Processes)、製品・技術(Products)、パートナー(Partners)の4つの分野において、適切な対策を打つ必要があるというものです。
たとえば、人であればプロセスの実現に必要な人材を確保し、役割と責任の所在を明確にする。製品・技術であれば、プロセスの効率的な実行や作業負荷軽減、ミス削減に向けて自動化を進めるためのツールを活用するなどです」(塩田氏)
ITSMSがきちんと構築・運用されているかを証明するのが「ITSMS適合性評価制度」です。この制度は、ITSMSの国際規格であるISO/IEC 20000-1に基づいて構築・運用されているかを信頼できる第三者機関(審査機関)から評価を得られるものです。この制度の推進を行っているのが、一般財団法人 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)のセキュリティマネジメント推進室になります。