これらの人的課題を解決したとしても、日本企業にはServiceNowを導入したり、業務の自動化を進めるにあたって、技術的な問題が存在します。
SaaSとして提供されるServiceNowは、インターネット接続による利用が前提となっています。これが海外では普通に受け入れられている一方、日本でServiceNowの普及を妨げる一因となっています。
その理由は、海外と日本のITに対する捉え方の違いにあります。ITについて、海外では“使い勝手”を優先するのに対し、日本では“セキュリティ”を重視する傾向にあります。ここには先の調査でも挙がった、“変化よりも安定をよしとする”日本人ならではの国民性が関係しているのかもしれません。
なかには、海外データセンターへのデータ保管やインターネット接続を禁じるといった、厳格なセキュリティポリシーを定めている日本企業も多く存在します。使い勝手の良さを理解しつつも、社内ルール上、SaaSの導入に踏み切れない、という事態が起きてしまうのです。