SaaS型ITプラットフォーム「ServiceNow」は、ビジネスプロセスをワークフローとして可視化・自動化できる点、統一されたデータベースを広範な業務に適用できる柔軟性などが支持され、世界中の企業で採用が進んでいます。
もちろん日本国内での導入も徐々に拡大していますが、残念ながらいくつかの課題があり、そこまで普及が進んでいないようです。
今回は、ServiceNowを導入して業務をDX化していくうえで、どのような課題があるのか、その課題の解決法があるのかについて紹介します。
日本は世界から“DX後進国”ととらえられている
2019年6月にServiceNowが行った「業務自動化に関する国際調査」によると、日本は他国に比べてデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進で遅れを取っているという結果が出ています。
たとえば「過去3年間に自身の業務や業務プロセスに自動化が導入された」という回答においては、調査対象の国・地域の中で日本が最も低い割合となっています。さらに、業務プロセスについて「手作業に頼っている」、あるいは「極めて手作業に頼っている」と回答した人の割合も、やはり日本がワースト1となっています。
これらの要因となっているのは、日本の従業員の多くが業務のDX化がもたらす“変化”を恐れていることにあるようです。
調査では「DXによって仕事のやり方を変える必要がある」「DXによって新しいスキルやプロセスを習得する必要がある」ことを懸念する回答の数が、日本では世界平均よりも大きく上回る結果となりました。いままでのやり方を変えたくないという、きわめて保守的で慎重な考え方が、働き方改革を推進するDXの妨げとなっているのです。
ここで浮き彫りになった課題は、技術ではなく“人”に関するものであり、その有効な対策としては、従来のマネジメントの手法を変えることや、経営層が陣頭指揮を執って組織ぐるみの意識改革に取り組むことが考えられます。