NTTコミュニケーションズ

Bizコンパス

災害対策のためのシステム二重化には超えるべきハードルがある
2020.05.15

DXを加速させるITシステムの運用改革第24回

災害対策のためのシステム二重化には超えるべきハードルがある

著者 Bizコンパス編集部

DR対策として魅力的な機能を備えるサービスがある

 システムの二重化にかかるコストを削減する方法としては、構成をシンプルにする方法があります。たとえばデータの同期などを行わず、メインサイトのデータのバックアップだけを行っておき、トラブルが生じたときにバックアップサイトのシステムで復元するといった方法です。これならシステム構成の複雑化を避けられ、コスト負担を軽減できる可能性も高まるでしょう。しかしメインサイトからバックアップサイトへの切り替えに時間がかかる場合もあり、ダウンタイムの長さから業務に支障をきたしてしまう可能性があり、ビジネスの種類によっては許容できない場合もあります。

 クラウドを利用し、コストを削減するのも一つの選択肢です。具体的には、メインサイトをオンプレミス、バックアップサイトをクラウド上に構築します。その上でCPUやメモリといったリソースを柔軟に変動できるクラウドのメリットを生かし、平常時はクラウド上のバックアップサイトを最小限のリソースで運用、必要になったときだけ適切なリソースを割り当てるようにすれば、インフラコストを抑えてシステムを二重化することが可能です。

 クラウドであれば、オンプレミス-オンプレミスのシステム二重化と同様、データの同期も可能であり、メインからバックアップに切り替えるような環境も整えられます。

 このようにクラウドを利用すればインフラ周りのコスト削減は可能です。しかしデータの同期やメインからバックアップへ切り替えるための仕組みの構築といった負担が生じる点は変わらず、ゼロからシステムを二重化しようとすると、やはり相応のコストを覚悟しなければならないでしょう。

 またクラウドロックインの問題も懸念されます。特定のクラウドサービスを利用した形でバックアップサイトを構築すれば、別のクラウドサービスに移行することが難しくなり、システム運用やDR対策がそのクラウドサービスを提供するベンダーの意向に左右されることになりかねません。

 このような課題を解決するサービスの一つがVMwareの「vCloud Availability」です。これにはVMware vSphere環境同士で仮想マシンをレプリケーションし、さらにデータ同期などシステムの二重化によるDRを実現するための機能を備えています。このような、オンプレミス環境とクラウド環境間をvCloud Availabilityで同期することができるクラウドサービスを使ってシステムを二重化すれば、手間を掛けずにシステムを二重化し、DR対策を強化することができます。

 またVMwareはすでに多くの企業のインフラで使われているため、従来の運用スキルを活用できるメリットがあることに加え、VMware vSphereのレイヤーが入ることでクラウドロックインを避けられる利点もあります。

 さらに、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)では、このvCloud Availabilityの仕組みを利用した新たなクラウドサービスとして「Enterprise Cloud マネージドvプラットフォーム」の提供を予定しています。後編ではこのサービスの開発者より具体的なサービスの内容、メリットなどを紹介します。

SHARE

関連記事

地震や台風に備えて。ITシステムの災害対策に適したマネージドサービスとは

2020.05.15

DXを加速させるITシステムの運用改革第25回

地震や台風に備えて。ITシステムの災害対策に適したマネージドサービスとは

過去にうまくいかなかった人にも見てほしい「最新クラウド導入方法」

2019.08.02

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第17回

過去にうまくいかなかった人にも見てほしい「最新クラウド導入方法」

With/Afterコロナのネットワークを支える「エッジコンピューティング」とは

2020.11.18

ニューノーマル時代のネットワーク技術革新第3回

With/Afterコロナのネットワークを支える「エッジコンピューティング」とは

アフターコロナ時代のITインフラは「SASE」がカギを握っている

2020.10.30

DXを加速させるITシステムの運用改革第31回

アフターコロナ時代のITインフラは「SASE」がカギを握っている

「モバイルPASMO」の実現までに13年もの歳月がかかった裏事情

2020.10.27

IT&ビジネス最新ニュース第71回

「モバイルPASMO」の実現までに13年もの歳月がかかった裏事情

なぜニューノーマル時代に「ゼロトラストモデル」が求められるのか

2020.10.16

ニューノーマル時代のネットワーク技術革新第2回

なぜニューノーマル時代に「ゼロトラストモデル」が求められるのか

「2025年の崖」はすでに到来している!?経産省に聞く、コロナ時代のDXの進め方

2020.09.11

デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて第45回

「2025年の崖」はすでに到来している!?経産省に聞く、コロナ時代のDXの進め方

テレワーク化したコンタクトセンターは、コロナにも震災にも負けなかった

2020.09.02

いま求められる“顧客接点の強化”第30回

テレワーク化したコンタクトセンターは、コロナにも震災にも負けなかった

IT環境の「サイロ化」に約7割の企業が困っている

2020.08.26

DXを加速させるITシステムの運用改革第30回

IT環境の「サイロ化」に約7割の企業が困っている