このような、人手に頼り切った運用の問題を解決するのは、人手を介さない「監視の自動化」の導入でしょう。
もちろん、自動化するためには、そのための準備が必要になります。最初に取り組むべきは、言語やルールの異なる複数システムのデータを集約し、1つのデータベースで統合的に管理して可視化を図ることです。
その際、社内システムの状況をリアルタイムに把握できる「構成管理」という仕組みづくりが重要になります。構成管理とは社内システムを構成するハードウェアやソフトウェア、ネットワーク、サーバー、ライセンス、契約書などの要素(CI)および、組み合わせ情報(各CIとの関係性)を最新状態に保つためのプロセスです。構成管理のすべての要素は「CMDB(構成管理データベース)」の利用で効率的に管理できます。
CMDBにより社内システムのデータを集約し、一元的に可視化できるようになったら、次はCMDBに適した監視サービスを紐づける作業が発生します。たとえシステムの全容が可視化できたとしても、リアルタイムな監視ができなければ意味はありません。加えて、監視サービスで検知したシステムの故障や変更を、インシデント管理、問題管理、変更管理などのプロセスに連動させる必要もあります。
このように、手作業によるアラートメールの監視を自動化するためには、そのための仕組みを新たに構築する手間も発生することになります。