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パソナ、グリー、ネットワンはServiceNowでどう窓口業務を改善したのか
2019.12.11

DXを加速させるITシステムの運用改革第17回

パソナ、グリー、ネットワンはServiceNowでどう窓口業務を改善したのか

著者 Bizコンパス編集部

Excelベースの入退社管理は「限界」だった

 グリーは「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションのもと、ゲーム、メディア、広告といった幅広いインターネット事業を展開しています。同社とServiceNowの関わりは2015年までさかのぼります。最初にServiceNowを実装したのは、FAQとIT資産管理です。

 情報システム部の古屋孝弘氏は、その理由を次のように語ります。

「自社内にServiceNowのノウハウを蓄積することが先決だと判断し、まずは協力ベンダーのサポートを受けながらシンプルなFAQ、続いて自部門のIT資産管理からスタートしました。これは最も大きな課題となっていた入退社管理が、IT資産管理との密接に紐づくためです」

 FAQ、IT資産管理で知見を蓄積し、手応えをつかんだグリーは入退社管理の自動化・効率化に着手します。目的はExcelベースで行われていた入社・退社管理業務の改善です。

「当時の弊社の入社処理では既定のExcelシートに氏名、ドメイン、所属部署などを手作業で記入する必要がありました。記入方法を解説した30ページの運用マニュアルもありましたが、量も多くよく読み込まないと正しい記入ができなかったのです」(古屋氏)

 入力ミスが1カ所でもあると、従業員データベースへの登録やアカウント発行、PCキッティング(PCの各種設定を行うこと)など、すべての作業に影響が及んでいました。さらに人事部門では細かい運用ルールが業務プロセスに合わせて頻繁に変わるため、Excelシートと運用マニュアルが一致しない事象も発生。IT部門、人事部門、申請者、それぞれから“複雑で非効率なプロセスを改善したい”という声が上がっていました。

「事業変化にスピーディかつ効率的に対応できる、部門を横断する運用基盤を作る必要がありました。ServiceNowによる開発では“使う人を選ばない”“ITリテラシーに頼らない”シンプルな操作性を目指しました」(古屋氏)

 開発にあたり古屋氏が重視したのはスピードです。最初に膨大な入退社に関するマニュアルを読み込むことで要件理解を行い、そのうえで要件定義を実施しました。人事部より意見・要望を受けながら開発を進めるアジャイルでの開発を進め、約3カ月で入退社に関する基本機能の第一弾をリリースします。

「私たちは完璧なものを目指していたわけではありません。8割程度の完成度でリリースして、上がってくる改善要望に都度対応しました。ユーザーである人事部門に使ってもらいながら、よりいいものに仕上げていくことを心がけたのです」(古屋氏)

 完成した新システムは、人事部の業務に大きな変化をもたらします。従来のExcelベースのフォームはServiceNow上に統一。入力項目を最小限に抑え、入力データを自動的にチェックする機能も搭載されました。これにより入力ミスが半減したと言います。

「申請者は入力ミスのフォームを突き返されることがなくなり、人事部門は従業員からのクレームがなくなりました。IT部門も現場からの仕様変更に合わせてタイムリーな施策が打てるようになりました。数字には表せないのですが、全体的な仕事の質が向上したと感じています。人事と二人三脚でサービスを改善できたことが、今回のポイントだと思っています」(古屋氏)

 今後グリーでは、モバイルアプリの有効活用で従業員向けの業務改善を進めていく計画です。最後に、古屋氏はServiceNowの導入を考えている企業に対し次のようなアドバイスを送ります。

「ServiceNowを自社に定着させるまでには、ある程度の時間は覚悟した方がいいかもしれません。私たちの場合はIT部門など特定部門で小さく始めたことが成功につながりました。目の届く範囲で実績とノウハウを積んで、全社展開するというプロセスがうまくフィットした事例だと思います」

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