楽天が導入したのは、ServiceNowのITSMおよびITOMです。導入にはServiceNowのコンサルから助力を受けますが、導入後はRPAと同様、自力で行うことを目標にしています。
同社のServiceNowの導入フェイズは3つに分けられ、現在はフェイズ1が完了し、フェイズ2が進行中です。
「今までのRPA実装のプロセスは、ユーザーがロボット開発を終えた段階でリリースのリクエストを行い、これを受けたオペレーターが状況を確認しスケジュールを設定、運用をスタートしていました。
フェイズ1では複数の開発・稼働基盤、アプリケーションといった構成要素を一元管理して、オペレーターの稼働を軽減しました。現段階ではここまで完了しています」(内藤氏)
現在進行中のフェイズ2では、複数のツールをサービスポータルに集約し、RPAに関する情報を一覧できる環境を構築しています。これにより、従来オペレーターが手作業で行っていたスケジュール管理が自動化できます。
そして、フェイズ3ではイベント管理に加え、全体的なロボット運用の自動化を目指しています。
「現在見込んでいる効果としては、まずオペレーターの稼働を削減すること。次に自動化により人為的なミスをなくし、運用品質を高めることです。
今後は、世界中で利用されているスタンダードツールであるServiceNowを活用することで、運用の標準化を進めていく予定です。将来的には手動のリリース管理などもServiceNowで自動化し、さらなる効率化を図っていく計画です」(内藤氏)
NTT Comと楽天では、いずれのケースでも定型業務が複数のシステムに跨って運用されていたため、オペレーション負荷が増加していました。両社はこの課題解決のためにServiceNowを導入、業務効率化を成功させています。
今回紹介した事例のように、事業展開に合わせたスピード感あるオペレーションを望む場合、ServiceNowは有効な選択肢の1つといえるのではないでしょうか。またセキュアな環境でServiceNowが利用できるソリューションも誕生しており、今後の動向にも注目です。